【図解】コレ1枚でわかる5G
「第5世代移動通信システム」すなわち5Gは現在の4Gに続く次世代のモバイル通信として、2020年の利用開始を目指し開発が進められています。
1979年に日本電信電話公社(現NTT)が、世界に先駆け、同社独自の規格で「自動車電話」と呼ばれた移動電話の商用サービスをスタートさせます。その後、米国でも商用サービスが始まります。1984年には、手に持てる"携帯電話"が登場し、本当の意味で持ち運べる電話への進化が始まりました。当時はアナログ通信方式で「音声通話」を実現していましたが、これが「1G」です。1994年からの「2G」では、デジタル通信方式となり、音声に加えて「テキスト通信」が使えるようになります。2001年、「3G」が登場し、「高速データ通信」が可能となり、携帯電話でのホームページ閲覧や電子メールのやり取りができるようになりました。2010年からは「4G」の利用が始まり、スマートフォンの普及と相まってデータ通信はさらに高速化して「動画通信」ができるようになります。「5G」では、4Gまでの機能や性能をさらに高めることに加え、新たに「IoT」への対応が期待されています。
5Gは「高速・大容量データ通信」、「大量端末の接続」、「超低遅延・超高信頼性(」といった要件を満たすモバイル通信を実現しようとしています。
「高速・大容量データ通信」とは、現在のLTEの20倍の高速化・大容量化したデータ通信で、10G~20Gbpsといった超高速なピークレートの実現を目指しています。加えて、通信環境の如何に関わらず、どこでも100Mbps程度の高速通信が可能となります。
「超低遅延・超高信頼性」とは、如何なる場合でも低遅延で通信できることを目指しています。遅延時間は4Gの10分の1である1m秒です。例えば通信が遅れることで事故につながりかねない自動運転自動車や緊急時の確実な通信が求められる災害対応などに使われることが想定されています。
「大量端末の接続」とは、現在の10倍といった端末数への対応や省電力性能の実現をめざしています。4Gでも1平方キロメートル当たり約6万台の端末を接続できますが、IoTとなると端末数は桁違いです。そこで、5Gでは1平方キロメートル当たり100万台の端末を同時接続できることを目指します。
5Gは「高速・大容量データ通信」、「大量端末の接続」、「超低遅延・超高信頼性」といった異なる要件をすべて1つのネットワークで満たすことができるように開発が進められているのですが、実際の利用場面では、それぞれの利用目的に応じて、ネットワークを仮想的に分離して提供できるようになります。この技術は、「ネットワークスライシング」と呼ばれ、5Gの中核的技術の1つとして位置付けられています。
現行の4Gや無線LANでは、音声や動画、ドローンの操縦やセンサーデータの収集など、利用目的に関係なく、全ての同一の速度や帯域、すなわちサービス品質で利用しています。しかし、スマートフォンで高精細な映像を見る場合は大容量で高速な通信が適していますし、ドローンを操縦するといった用途では大きな通信帯域は必要ではありませんが、低遅延で通信できなくてはなりません。
様々な用途で広範に使われることが期待されている5Gですが、求められる通信の速度や帯域が異なる用途をこれまで同様に区別することなく同じサービス品質で利用するとなると、限られた電波資源を使い果たしてしまいます。そこで5Gでは、ネットワークスライシングの技術を使い、用途に応じてネットワークのサービス品質を変えようというわけです。
たとえば、低遅延が望まれる用途では、一度に送るデータのサイズを極力小さくし、データ送信を開始してから完了するまでの時間を短くして、機械にデータが届くまでの遅延を短くすることができます。また、動画などのように大量のデータを高速に送る場合は、帯域を大きくして大容量のデータ伝送ができることにします。また、企業の個別ネットワークである閉域網としてこのタイムスライシングを利用することも可能となり、コストのかかる通信設備を自ら所有し、運用管理することがなくなります。
このようなサービス品質の違いによって、サービス品質を変えて電波資源を効率よく使うとともに、料金設定も変わることになるでしょう。
5Gの登場は、移動通信の用途を大きく広げるとともに、これまでのネットワークのあり方を大きく変えることになるでしょう。
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