【図解】コレ一枚でわかる自動化から自律化への進化

私たちはコンピュータを使って、プログラムどおりに実行させる"自動化（automatic）"を実現した。そしていま、人工知能（AI）はデータを分析することで自らルールを作り、最適な方法を自ら選択し実行する"自律化（autonomous）"へと進化させつつある。

例えば、ドライバー無しでも運転してくれる自動車、配達先を指定すれば荷物を届けてくれる無人航空機、基本的な作業手順を教えれば自ら試行錯誤を繰り返して作業効率を高める産業用ロボットなど、自律化された機械が続々登場している。

自動化とは、人間が経験から得た知見を使ってアルゴリズム（問題を解決するための手順や計算の方式）を考案し、これに基づいて人間がプログラムを作成し、それを実行させることで実現する。もっと作業効率を高めたい、品質を良くしたいとなると、どうすればいいかを人間が思考し、仮説を立て、試行錯誤を重ねてプログラムを改善することで対処する。

こうやって自動化の仕組みを使えばデータが蓄積されてゆく。そのデータを統計的な手法を駆使して分析することで、どこに課題があり、どうすれば効率や品質を上げられるかを「見える化」することができる。それを人間が考察し、より洗練された手順を考え、その手順を人間がプログラムにして実行させることで、作業効率や品質をさらに高めることができる。

さらにデータを蓄積し、これを「機械学習」で分析すれば、人間には気づけなかった規則性や関係性を見つけ出すことができるようになる。それに基づいて、より最適化された手順を自ら生成し、判断・実行することができるようになる。これが自律化だ。

ITは、いま自動化から自律化へと、その可能性を広げつつある。その一方で、かつて自動化によって単純労働者の雇用が奪われたように、自律化はより高度な知的労働者の雇用をも奪うのではないかとの懸念が聞かれる。しかし、この流れに抗うことはできない以上、うまく付き合ってゆく方法を考え、新たな人間とITの役割分担を見つけ出してゆく必要があるだろう。

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