【図解】コレ1枚でわかるIntelとARM
パソコンの心臓部ともいえるプロセッサ(CPU)には、米Intel(インテル)社製のものが使われてきた。これに対して、スマートフォンやタブレットでは、そのほとんどが、英ARM (アーム) 社が設計したCPUを搭載している。スマートフォンやタブレットが、パソコンを遥かに凌ぐ勢いで販売されている昨今、ARMのCPUもそのシェアを拡大している。
しかし、一般にはARMという名前は知られていない。それは、ARM社は自社で半導体工場を持たないファブレス企業だからだ。彼らは、CPUを設計し、その設計情報を世界中の企業にライセンス提供している。それを購入した企業は、そこに自社独自の機能を付け加えて製造する。
Apple社は、iPhoneやiPadに、携帯電話として必要な通信機能やグラフィックス処理機能、AI(機械学習)機能などを独自に追加したプロセッサ(Aシリーズ)を使っているし、Qualcomm社もまた同様の機能を独自に付加した製品(Snapdragon)を作り販売し、Androidスマートフォンでは独占的なシェアを確保している。このように、CPUも含めて必要な複数の機能を別々の部品にするのではなく、1つのチップにまとめることで、機器内の消費電力や専有面積を減らすことを目指したものをSoC(System on Chip)と読んでいる。ARMのCPUはこのようなSoCには欠かせない存在となっている。
ARMのプロセッサの特徴は、省電力であること、その割に処理能力が高いこと、そして前述のように、独自の機能を拡張可能であることだ。この特徴により、これまでスマートフォンなどで採用されてきたが、今後は消費電力の増大が問題視されているクラウド向けのデータセンターでの採用も進むと考えられている。また、小型化・低消費電力が求められるIoTの分野でも、ARMは攻勢を強めている。既にARMのプロセッサは、携帯電話やスマートフォンやタブレットのほぼ全て、家電などの組み込み機器の多くに採用されている。
これまで高性能なCPUを中心に開発してきたインテルは、以前から小型・省電力の市場を狙ってAtomというCPUを開発していたが、スマホやタブレットの分野では苦戦、さらに小型のコンピューターEdisonを発表し、今後大きな成長が期待されるIoT分野でARMに対抗すべく攻勢をかけたが、ARMのポジジョンを崩すことができなかった。そのため、現在はこの分野から撤退し、ARMと協業し自社の工場でARMを組み込んだ製品を製造することを表明している。
今後、IoTの普及とともに多くのモノにCPUや通信機能が組み込まれようとしているが、この需要に応える低消費電力・小型・高性能なCPUの需要は、益々拡大すると予想されている。このようなニーズは、データセンターに設置するサーバーやデスクトップPCにもある。さらには、AI機能がCPUに求められるようになっている。IntelもARMも、そのための機能強化をすすめており、両者の競合は広範囲に及ぶことになるだろう。
ちなみにARMは2016年、ソフトバンクによって3.3兆円で買収されている。
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