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「知ったかぶり」と「知っているつもり」

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「知ったかぶり」は、確信犯だ。知らないことへの自覚がある。一方「知っているつもり」は、本人に自覚が無い。自分は知っていると思っているから、始末に悪い。

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私は、営業に「知ったかぶり」は、ある程度許されると思っている。たとえば、お客様から、「今度、うちでもアジャイル開発に取り組もうと思っているのだが、どうすればいいかなぁ?」などと聞かれたとしよう。

それに対して、「わかりました、部長。私どもも全面的にお手伝いさせていただきます。ただ、安易な意見は、方向を誤ります。スペシャリストともよく相談して、改めて提案させていただきます。」と言い逃れができる。

お客様にしてみれば、なかなかしっかりしているなぁ、頼りになりそうだと、ありがたい誤解をしてくれる。

しかし、本人には、「アジャイル開発」について、よくわかっていないという自覚がある。だから、これで時間稼ぎをして、「これはやばいぞ、ちゃんと調べて、勉強もしなきゃなぁ。」と必死で勉強して、後知恵でなんとかつじつまをあわせ、なんとか面目を保つことができるだろう。

しかし、「知っているつもり」は、そんな自覚が無い。自分の浅知恵で、適当なことを言いかねない。お客様も勉強されているはず。そんなお客様には簡単に見抜かれてしまう。営業の信用はガタ落ちだ。

すべてに詳しい専門知識など必要ない。広く浅く、知っていれば十分。ただ、以下の3点は、しっかりと抑えておく必要がある。

まず、その技術や製品が生まれてきた背景や歴史、そして、その思想や目的だ。そもそも、製品や技術は、何らかの課題を解決するために生み出された。その課題がお客様にあればこそ、その製品や技術は、価値を提供する。それがわからなければ、お客様に提案することはできない。

次は、その製品や技術の原理である。細かな実装方法やプログラムの中身を理解する必要は無い。どのような原理で、機能しているかである。それがブラックボックスのままで説明できなければ、お客様は安心できない。

最後は、その製品や技術がもたらすお客様の価値、つまりベネフィットだ。コストの削減、運用負担の軽減、売り上げの増大、あるいは、法律や規制への対応といった社会的強制への対応などがそれに当たる。

これらを整理整頓して、理解しておくことだ。

お客様が何を話しているのか、何を求めているのかは、ただ漫然と聞いているだけはつかめない。話しを実際の技術や製品に当てはめつつ、お客様の話を整理整頓してゆくことができる程度の知識がなくては、まともな提案などできるない。「知っているつもり」では、この整理整頓が、正しくできない。

謙虚に一歩下がって、「知ったかぶり」にろう。そして、知らないという自覚に立って、少しでも知識の不足を埋めてゆけばいい。

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【更新】人に寄り添うIT p.26
【更新】人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係 p.64
【更新】なぜいま人工知能なのか p.65

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【新規】マイクロサービス・アーキテクチャの6つのメリット p.63
【新規】マイクロサービス・アーキテクチャの3つの課題 p.64
【新規】FaaS(Function as a Service)の位置付け p.68

ITインフラとプラットフォーム編
【更新】Infrastructure as Code p.78
【新規】Infrastructure as Codeとこれまでの手順 p.79
【更新】5Gの3つの特徴 p.235

クラウド・コンピューティング編
【更新】クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model) p.41
【更新】5つの必須の特徴 p.55
【新規】クラウドのメリットを活かせる4つのパターン p.57

テクノロジー・トピックス編
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