「IoTでなにかできないのか?」という愚問にどう対処すればいいのか
「IoTで新しい事業を立ち上げるようにと、社長から言われています。どのようにすすめればいいでしょうか?」
昨日修了した「ビジネス・リーダーのためのデジタル戦略塾・第2期」の受講生からこんなご質問を頂いた。
実は、このようなご質問を頂く機会が増えている。その多くは、事業部門の企画や戦略、あるいは技術開発に携わっている人たちだ。世間でなにやら騒いでいるので、うちも何かしなくてはいけないと言うことなのだろう。
「部下にアイデアをあげてくるように指示しています。でも、まともな企画がなかなかあがってきません。」
そんな経営者から話しを聞くこともある。いずれにしろ、"絶対に"うまくいかないやり方の典型だろう。
第一にテクノロジーは解決策であって、目的ではないと言うことだ。何を解決したいのか、何を実現したいのかをはっきりとさせないままに、テクノロジーを使うことが目的となってしまっているようでは、成果を評価することはできない。
- この課題が解決すれば、コストが半減する
- このような仕組みを作ることができれば、競合他社に対して、圧倒的に優位に立てる。
- このやり方を変えられれば、残業をなくし、品質も高められる。
「この」が何かをまずははっきりさせることだ。そして、テクノロジーを使うか使わないかは棚上げして、一番良い解決策を探すことだ。たぶんその多くは、仕事のやり方を変える、あるいは、余計な手続きを無くす、評価基準を変えるなどのビジネス・プロセスを変えることで解決できる。
それでも解決できないこと、あるいはもっと効果的に解決できる方法、あるいはビジネス・プロセスを変えるために必要な手段として、テクノロジーを選択肢に加えるといいだろう。
しかし、それがIoTというジャンルなのかどうかはどうでもいい話だ。大切なことは、解決することなので、IoTを使うことではない。そこが入れ替わってしまうと不幸な結末を迎えることになる。
また、部下に企画をまとめるようにと指示をしても、IoTとは何かを正しく理解できていなければ、適切な使い道は見いだせない。例えば、サイバー・フィジカル・システム、機械学習、モノのサービス化など、IoTと深く結びつく概念がある。デジタル・ビジネス・プラットフォーム、システムの三層構造、IoTを想定した通信やセキュリティなどのテクノロジーについてもその仕組みや意味を理解しておかなければならない。
どのように実装するかはIT専門家にまかせればいいが、それらが何を意味するのか、何ができるのか、どのようなビジネス価値をもたらすのかを知らなければ、何処に何を使えばいいのか分からないだろう。
いわばIoTの常識がないままにIoTで何かを考えろと言っても何も出てこないのは当然ことだ。また、経営者だって、その価値をもまともに評価できないのではないか。
「まずは、何を解決したいのか、何を実現したいのか、そこをしっかり議論されてはどうでしょう。」
まずはそこからだ。それは外部の人間にはできないことだ。その上で、その実現方法を専門家と相談するといいだろう。この順番を間違えてはいけない。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 10月度版リリース====================
・新たに【総集編】2018年10月版 を掲載しました。
「最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略」研修に直近で使用しているプレゼンテーションをまとめたものです。アーカイブが膨大な量となり探しづらいとのご意見を頂き作成したものです。毎月最新の内容に更新します。
・アーカイブ資料につきましては、古い統計や解釈に基づく資料を削除し、減量致しました。
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ビジネス戦略編
【更新】UberとTaxi p.10
【更新】もし、変わることができなければ p.16
人材開発編
*変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】モノのサービス化 p.34
【更新】モノのサービス化 p.37
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【更新】AIと人間の役割分担 p.12
【更新】自動化から自律化への進化 p.24
【更新】知的望遠鏡 p.25
【更新】人に寄り添うIT p.26
【更新】人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係 p.64
【更新】なぜいま人工知能なのか p.65
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】マイクロサービス ・アーキテクチャ p.62
【新規】マイクロサービス・アーキテクチャの6つのメリット p.63
【新規】マイクロサービス・アーキテクチャの3つの課題 p.64
【新規】FaaS(Function as a Service)の位置付け p.68
ITインフラとプラットフォーム編
【更新】Infrastructure as Code p.78
【新規】Infrastructure as Codeとこれまでの手順 p.79
【更新】5Gの3つの特徴 p.235
クラウド・コンピューティング編
【更新】クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model) p.41
【更新】5つの必須の特徴 p.55
【新規】クラウドのメリットを活かせる4つのパターン p.57
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。
ITの歴史と最新のトレンド編
*変更ありません