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講師は礼儀正しく批判せよ

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企業での講演を依頼されるとその会社や業界などについて、いろいろと情報を収集する。その目的は、その会社の課題や弱点、いわば言ってもらいたくないタブーを見つけるためだ。事前の打ち合わせがある場合は、この点について、いろいろと聞いてみる。そして、自分なりの確信を固めて講演に臨む。

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テーマはデジタル・トランスフォーメーションであったり、最新のITトレンドであったり、IoTであったりするのだが、そういう話しの中に彼らの課題や弱点、タブーとして語りにくいことを織り交ぜながら、礼儀正しく批判する。

貶めたり、誰かを攻撃したりするようであってはいけない。敬意を表し、なぜそうなってしまったかの必然を飲み込み、彼らの苦労に共感しながら、このままでは大変なことになりますよと優しく脅す。

同じ会社の人間が同じ話をすると、空気が読めないヤツだ、いまさら何を言ってるんだ、現実はそんなに甘くない!とまともに請け合ってはもらえない。むしろアウトサイダーとされて排斥されるリスクすらある。しかし、所詮は赤の他人の講師である。言いたいことを言っても大目に見てもらえる。いやむしろ、よくぞ言ってくれたと感謝される。しかし、申し訳ないが、相手の痛みは理解しているつもりだ。空気は徹底的に読んでいる。

礼儀正しく、敬意を払い、論理的に批判する。それが、外部の講師の役割だと心得ている。自分では言えないことを自分に代わって代弁し、経営者や管理者の課題を指摘し、よりよい方向へ変えてゆこうという社内の雰囲気を作ることが、外部講師の役割だろう。

余計なお世話である。そんなことはあなたに期待していないと言われそうだが、ならばそういう講師を招くといいだろう。ただ、デジタル・トランスフォーメーションでもIoTでも、結局はその話を聞き知識を増やすことが目的ではない。聞いたことをきっかけに自ら考え、行動を起こすことを主催者は期待しているのだから、やっぱりそこまで踏み込むのは講師の役割だと思う。

営業プロセスや顧客応対のスキルの講義であっても、いわば現状を全て受け入れ、批判や否定がなければ、よりよくしよう、変えていこうというモチベーションを生まれない。もちろん良いところは良いところとして評価する。何もかも批判し否定しようということではない。ただ、現状の課題を指摘できない講義にどれほどの価値があるのだろう。

時々、そういうことに踏み込まないで欲しいと事前に念押しされる時があるが、そういうご依頼はできるだけご辞退申し上げるようにしている。きっと訊いている方はつまらないし、話している自分はもっとつまらないからだ。

講師は、自分のミッションを自覚しなくちゃいけない。講演や講義の結果、聴講者や受講者がどうなっているのかを考え、その達成に全力を尽くすことだ。意識が変わる、行動が変わる、モノの見方が変わるといった「あるべき姿」を達成することが目的だ。礼儀正しい批判は、外部講師のミッションであると自覚しなくてはいけないと思っている。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離

ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題

開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58

テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。

ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません

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