何を勉強するかより、人生には大切なことがある
「仕事に役立つ知識を身につけるためには、どうすればいいのでしょうか?」
新入社員研修の講師をしているとそんな質問をされることがある。もちろん、勉強するしかないわけだが、では何を勉強すればいいのかということになる。
私は、次のように答えている。
「何を勉強するかより、大切なことがある。それは、時間をつくることだ。時間がなくてはなにもできない。自分の日常のリズムの中に"時間"をつくることからはじめてはどうか。」
何を学ぶかを考え、決心してから行動するのは、なかなか難しい。毎日のどこかに1時間あるいは2時間の"時間"をつくるというリズムをつくる方が賢明だ。
学ぶべきことは山のようにあり、絶えることなく学ばなくてはならない新しいことがわき起こってくる。だからその時々の関心や必要に応じて学んでゆかなければならないが、そのためには時間が必要だ。
私は「朝の1時間(朝のゴールデンタイム)」を習慣にすることをすすめている。習慣にするとは、朝起きて歯を磨かなければ気持ちが悪い、あるいは出なくてもトイレに座らなければ落ち着かないといった感覚を「朝の1時間」に持つことだ。
「朝の1時間」を習慣にするには多少の決心と努力が必要になるだろう。しかし、2〜3ヶ月頑張れば、できないことが気持ち悪くなる。そうなれば、一生の財産になる。
場所を変えることもおすすめしたい。寝起きで自宅ではだれてしまうので、早めのオフィスや職場のそばのカフェなど、すこしきっちりした気分になれる場所がいいように思う。
新入社員研修でこの話を聞いた人たちに、何年かして会うことがある。そして、そういう習慣を身につけた人たちは誰も輝いているし、業績もすばらしい。これは実感であって、想像のはなしではない。当人に聞いても「朝のゴールデンタイム」を習慣にして、本当に良かったと言ってくれる。
新入社員研修に限らず、ベテランのためのコーチングや研修でも「朝のゴールデンタイム」のすばらしさを語っている。
ただ、その習慣が身につかない人もいる。それはなぜだろうかと考えていたのだが、最近その答えを見つけたような気がしている。それは、「自覚」だ。
研修に於いて、質問を投げかけることも多いのだが、世間では常識とも言えるキーワードを知らない、聞いたことがないと言う人がいる。キーワードは知っていても説明してもらうとしどろもどろになってしまう人は相当数いる。おいおい、この業界で何年仕事をしているのだと残念に思うことがある。聞いていることは機密情報なんかじゃない。ネットや雑誌に頻繁に登場している。それでも知らないと言うことは、たぶん関心がないからだ。
関心がないのは、自分の仕事には関係ないからだろう。しかし、関係があるかないかは、その意味や価値を知らなければ分からない。そのため関係があってもそのことに気付くことなく、「関係ない」で自分の知識の範囲を狭めてしまう。それが繰り返されることにより、ますます知識の範囲を狭めてしまう悪循環が起きているのではないか。
人は自分の知っている範囲の中でしか判断したり、選択したりしかできない。知識が狭いとその選択肢も限られてしまうから、もっといいやり方や考え方があっても、それを選ぶことができない。
そのことを自覚しているひとはまだいい。しかし、そういうひとのなかには、その狭い常識こそが世界であると信じている人たちがいる。ある程度歳を重ねると、世間体を気にするようになる。そうなると、かっこ悪い姿を晒したくないと思うようになり、自分の常識の世界を守ろうとして頑固になり、他を受け付けようとしない、あるいは排除して攻撃する。まあ、年配者ばかりでなく、若い人にもそんな人はいる。
そうなってしまうのは、自分がその分野で金を稼いでいるという自覚、いうなればプロとしての自覚の欠如ではないかと思う。与えられた仕事や決められた時間を過ごせば、お金が入ってくるのでそれでいい、終業後の時間や仕事に直接関わりないことに時間は使いたくない。そんなことなのかもしれない。
自覚がないから関心がない、関心がないから大切な言葉も記憶に引っかかることもなく通り過ぎてしまう。そして、ますます知識が狭くなってゆく。
私は、それもひとつの生き方だと思う。なにも、そういう人を否定したり攻撃したりするつもりなどない。自分で選んだ生き方なのだから、他人がとやかく言う筋合いではないだろう。ただ、それでいて、もっと業績を伸ばしたい、出世したいとか、評価して欲しいというのだが、それは都合のいい話で、それもふくめて自己責任だという自覚がないようだ。
自覚がないとは、そういう自分を客観視できていないことなのかもしれない。そういう自分になりたくなければ、知識の範囲を拡げ、自分を見つめる視野を広げなくてはならないのだと思う。
結局のところ、そのためにも時間が必要だ。朝のゴールデンタイムは、そんな自覚を持たせてくれる機会なのだと思う。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離
ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。
ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題
開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。
ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
クラウド・コンピューティング編
*変更はありません