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「知っている」の6つの段階 あなたはどの段階?

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「いままで、それぞれのキーワードは知っていましたが、全体を関連づけて理解できました。」

ITトレンドの研修のあと、このようなご評価を頂くことがある。大変ありがたいことだし、お役に立ててありがたくも思う。ただ、「知っていました」という言葉を、知らなかったとはいいにくいプライド、その言い訳のように感じてしまうのは私がひねくれているせいかもしれない。

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「知っている」という言葉には、どうもいくつかの段階がありそうだ。

記憶の段階:「言葉を聞いたことがある」あるいは、「その言葉を記憶している」段階だ。それがどのようなシーンで使われるかはわからないが、確かにどこかで聞いた、あるいは見たといった程度の「知っている」だ。

【例】「仮想化」ねぇ、そういえば、どこかで聞いたことがあるなぁ。

分野の段階:使われる文脈や分野との関連づけができている段階だ。どのような意味や解釈が与えられているのかはわからないが、どうもこの分野で使われているらしいと言う程度である。

【例】「仮想化」って、ITで使われる言葉ですよね。

イメージの段階:意味や解釈をなんとなくイメージできる段階だ。整然と説明できるほどではないが、「ああ、あのことね」とその利用シーンや他のものごととの関係の中で、捉えることができる。

【例】「仮想化」って、サーバーを分割するやつですよね。

辞書的説明の段階:辞書のように言葉への説明がある程度できる段階だ。ただ、その価値や役割については、曖昧な状態だ。

【例】「仮想化」とは、サーバなどのハードウェアリソースを、物理的な構成にとらわれずに論理的に統合や分割することができる技術のこと。

価値理解の段階:その役割や価値を説明できる段階。どのような使われ方をし、それがどのような役割果たし、如何なる価値を産み出すのかが理解できている。

【例】「仮想化」とは、物理的実態の持つ機能や性能を抽象化し、それらの組合せや変更などの操作を物理的実態から分離することで、システム構築や運用の自由度を高め柔軟性とスピードを向上させるための技術の総称。また、この技術を使えば、システム資源を効率よく利用することを容易にし、物理的なシステム・リソースを削減することができ、システム・インフラの購入やその運用管理のコストを削減することができる。

本質的理解の段階:言葉の意味や語源を理解し、言葉の持つ本質的な概念とその応用を説明できる段階。

【例】「仮想」の語源となったvirtualとは、「事実ではないが、ほとんど事実に近い」という意味。ロングマン現代英英辞典には、次のような記載がある。

very nearly a particular thing

「ある特定のものにほぼそっくりなもの」という解釈になる。つまりvirtualとは、「実際とは異なるが、ほとんど同じような」あるいは「本物と同じ」という解釈ができる。従って、IT用語として使用される「仮想化」とは「本物の実態とは異なるが、その本物と同じ機能や性能を実現する仕組み」ということになる。例えば、サーバーの仮想化であれば、「物理的な実態としての一台のサーバ上に、本物と同じ機能や性能を持つ複数のサーバーを稼働させる技術」ということになる。

まあ、ちょっと理屈っぽいが、あらためて整理してみると「知っている」とはなかなか奥が深いことが分かる。

さて、冒頭の「知っていましたが」とおっしゃていた方は、どの段階の「知っている」だったのだろうか。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離

ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題

開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58

テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。

ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません

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