新しい10年を作ってゆきたい ITソリューション塾・第28期を終了して思うこと
ITソリューション塾・第28期が昨夜終了した。昨夜は特別補講として、「ビジネスの現場を変えるデータサイエンス」をテーマに、武蔵野大学・准教授の中西崇文氏とYahoo! JAPAN・シニアアナリストの後藤真理絵氏に、理論と現場の視点から、これからのデータとの付き合い方やビジネスの価値について話を伺い、受講者とともに議論した。
2018年5月17日(木)から、毎週水曜日の夜2時間×11回の講義の締めくくりにふさわしい、刺激的で気付きの多い特別補講となった。
特別補講には、毎期「私が話しを聞いてみたい人」を独断と偏見でお願いしている。これまでにも多くのスペシャリストや話題の人たちに登壇いだき、刺激をもらっている。
今期は95名が参加した。今期から、Zoomによるリモート受講をスタートさせた。出張や残業で参加できない人たちのための緊急避難手段のつもりだったのだが、20〜30名の人たちがコンスタントに参加されていた。いやはや思惑は外れたもののリモートで受講すると言うことがいとも簡単に、しかもななりのクオリティでできる時代になったのだと、これもまた新しい気付きとなった。
この塾で一貫して貫いているポリシーがある。それは、「実践で使える知識」の習得だ。クラウドやAI、IoTなどとの言葉を知らない人はいない。しかし、それを説明できるかというと、誰もができるわけではない。ましてや、それがビジネスや社会の価値に結びついているのか、お客様の業務や経営がどうなるのかといったところにまで踏み込んで、説明し、議論し、解決策に結びつけられてこそ、「実践で使える知識」となる。それを手に入れるきっかけにして欲しいとこの塾を続けている。
所詮、講義という限られた時間で「知識を記憶する」ことには限界がある。だから、言葉を覚えることではなく、その技術が実現してようとしていることの本質やビジネス価値を伝えるようにしている。そのために、言葉の意味を辞書のように説明するのではなく、テクノロジーの歴史や他のテクノロジーとの関係・構造・役割分担を伝え、全体を大きな物語として捉えていただくことに腐心している。
そうやって組み立てられた物語はインデックスとして記憶に留まり、新しいテクノロジーや製品が登場してもその枠組みに照らし合わせて考えることで、その意味や価値がすんなりと腑に落ちる。
また、600枚を超えるプレゼンテーションを全てロイヤリティ・フリーで提供している。それは、それを使って自分の言葉で話をして欲しいからだ。知っているつもりの知識でも、それを実際に口から出そうとすると自分の知識の曖昧に気付くことになる。それに気付き乗り越えて、自分の言葉で語れるようになって、はじめて知識は使えるものになる。そして、自分の知識をさらに加味して、磨きをかけて欲しいと思っている。
最新の世の中の「常識」についても、その実践者から語ってもらうことで、知識だけではない生々しい現実に触れ、心を揺さぶってもらいとも思っている。特別補講に登壇してくれた二人に加え、マイクロソフト・ジャパンのCSOやグローバルなDevOps検定の開発者であり、システムの開発や運用の現場をぶち壊す取り組みをしているコンサルなどにも「新しい常識」を語ってもらっている。
講義終了後のアルコール消毒会も定例だ。講義では語りきれなかったことを語り合い、議論を深め、新しい人たちとの繋がりを作る。残念ながら参加者は20名ほどに留まっている。本当に残念でもったいない。人生に於いて、ビジネスに於いて、幸せのチャンスは全ての人たちに平等に与えられている。そして、その多くは、人とのつながりがもたらしてくれる。その機会を増やすことで、チャンスに巡り会う機会が増えると、私は思っている。私自身が、この事実を実感してきた。だからいろいろな人たちが集まるこの塾で、そんな場を提供したいと思っている。それを活かしてもらえればと願っている。
そんなITソリューション塾は10月10日より新たな第29期を迎える。第1期から10年続けてくることができた。だから、内容も新しくしたいので、次期は全11回は変えないがメニュー構成を刷新するつもりだ。多くの皆さんとお会いできることを楽しみにしている。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。まだ8月20日(月)の講義にはご参加頂けます。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
- ITって凄い
- ITの仕事はこんなにも可能性があるんだ
- この業界に入って本当に良かった
この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
【募集開始】ビジネス・リーダーのためのデジタル戦略塾
- 8月2日(木) 第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
- 8月29日(水) 第2回 ビジネスを戦略的に動かす実践データサイエンス
- 9月14日(金) 第3回 未来創造デザインによる新規事業の創出
- 10月3日(水) 第4回 デジタルサービスの機敏な提供ーVeriSM
対象者は次のような方です。
SI事業者やITベンダーではない事業会社のリーダーや管理職、部門長、経営者(ITやデジタル・テクノロジーについての前提知識は不要)
- 事業企画や経営企画にかかわっている
- 新規事業開発にかかわっている
- 情報システム部門で企画や戦略に関わっている
次のような課題をお持ちの皆さん
- 最新のIT知識や実践で活かすためのノウハウを手に入れたい。
- デジタル戦略の実践でリーダーシップを発揮したい。
- 事業計画にデジタル戦略を織り込みたい。
もはやデジタルを味方にしなければ生き残れない時代です。しかし、加速度を増すテクノロジーの進化についてゆくことは大変なことです。また、それを実践に活かすとなるさらに高いハードルが待ち受けています。
そんな課題を克服し、自分たちのデジタル戦略を前進させたいと考えている方に、テクノロジーについての最新の知識をわかりやすく伝え、実践のためのノウハウを学んで頂きます。
SI事業者やITベンダーの皆さんへ
お客様のITに関わる予算の7割は、情シス部門以外の部門が意志決定に関与しています。ここに営業力を直接的に行使できれば、営業目標の達成にも大いに貢献できます。「デジタル戦略塾」は、この取り組みを支援するものです。
いま、お客様の事業部門は、自らの事業の差別化を図り競争力を強化するためにITを積極的に活用していこうとしています。「攻めのIT」や「ビジネスのデジタル化」、あるいは、「デジタル・トランスフォーメーション」といった言葉が、注目されているのはそのような背景があるからです。一方で、彼らはITについての知識は乏しく、それを活かす方法を知りません。
ITを活用して事業の競争力を高めたいが、それを実践に活かす知識もノウハウもない
このギャップを埋めることに積極的に貢献できれば、事業部門との信頼関係を強固にすることができます。そうすればその先にビジネスのきっかけを見つけることができるようになるはずです。
情報システム部門の皆さんへ
情報システム部門の中には、このような事業部門の取り組みの蚊帳の外に置かれているところもあるようです。「攻めのIT」は事業部門の主導の下で行われ、自らの存在意義を問われています。
「デジタル戦略塾」を事業部門にご紹介いただくことは、「攻めのIT」への取り組みにおける自分たちの存在意義を、事業部門や経営者にアピールする有効な手立てとなります。また、ご自身も一緒にご参加いただき、「攻めのIT」への取り組みを二人三脚で取り組むための知識とノウハウを共有して頂くこともできます。
- AIやIoT、クラウドやアジャイル開発などの最新のテクノロジー
- ビジネスをデータで理解するためのデータサイエンス
- ビジネスにイノベーションをもたらすデザイン思考
- 新しいビジネスをいち早く実践の現場に展開するためのVeriSM
ご参加ならびにご紹介をいただければ幸いです。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 7月度版リリース====================
ITソリューション塾・第28期の最新教材を掲載
メモリー・ストレージ関連のチャートを拡充
AI専用プロセッサーについてのチャートを追加
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ビジネス戦略編
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの定義 p.22
インフラとプラットフォーム編
【新規】メモリーとストレージの関係 p.216
【新規】速度と容量の違い p.217
【新規】ストレージ構成の変遷 p.217
【新規】新章追加・不揮発性メモリ p.238-242
メモリ階層
コンピュータの5大機能
記憶装置の進化
外部記憶装置が不要に!?
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTビジネスとはどういうことか p.43
【新規】IoTビジネス戦略 p.45
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】AIやロボットに置き換えられるものと残るもの p.111
【新規】皆さんへの質問 p.131
【新規】求められる人間力の形成 p.132
【新規】新章の追加・AI用プロセッサーの動向 p.133-146
急増するAI 専用プロセッサ
人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係
深層学習の計算処理に関する基礎知識
AI = 膨大な計算が必要、しかし計算は単純
学習と推論
GPUはなぜディープラーニングに使われるか
データセンター向けGPU
GoogleがAI 処理専用プロセッサ「TPU」を発表
TPUの進化
クライアント側でのAI処理
Apple A11 Bionic
ARMのAIアーキテクチャ
開発と運用編
【新規】VeriSM p.6
【新規】早期の仕様確定がムダを減らすという迷信 p.13
【新規】クラウド・バイ・デフォルト原則 p.17
クラウド・コンピューティング編
*変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません
テクノロジー・トピックス編
*変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド編
*変更はありません
【ITソリューション塾】最新教材ライブラリ
第28期の内容に更新しました。
・CPSとクラウド・コンピューティング
・ソフトウェア化するインフラと仮想化
・クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
・IoT(モノのインターネット)
・AI(人工知能)
・データベースとストレージ
・これからのアプリケーション開発と運用