「世の中が変わった」という言い訳
「ビジネスの環境が大きく変わってしまいました。どうもこれまでのようにはゆきません。」
「世の中が変わった」は、誰もが口にする言葉だ。だからどうしたというのだ。
「最近の新入社員はこれまでとは違う」という話しもよく聞く。じゃあ、昔はそうではなかったのか。
これまでの歴史を振り返れば、変わらない時代などなかった。変わるのが当たり前だ。いまが特別な時代かのように、「世の中が変わってしまった」からうまくいかない、理解できないと言うのは、なんともおかしな話しだ。
確かに、そう言訳をすれば、自分の精神の安定には役立つかもしれないが、それでは何も解決しない。
そんな言訳をする暇があれば、何が変わったかを冷静に理解することに時間を割いてはどうか。いままでは当たり前と考えていたことが、もはや当たり前でないとすれば、何をどうすればいいかを考えてみるといいだろう。
ITビジネスについてゆえば、明らかにこれまでのゼネコン型産業構造が変わろうとしている。クラウドやサービス化は、大手システム・ベンダーの下請け仕事を支えていた企業にとっては、大きな試練になっている。
また、これまでの「強み」が、必ずしも訴求力を発揮できなくなった。例えばクラウドに代表されるシステム・リソース調達手段のサービス化や自動化、テクノロジーのコモディティ化は、必要とされる「技術力」の定義を変えている。
当然、営業力への期待も変わる。かつては、お客様が欲しいというモノやヒトを確実、迅速、適正価格でお届けすることこそ、売上に貢献できる営業力だった。この時代は、お客様も売る側も、何を調達すべきかをお互いに理解し合えていた。
インターネットの普及は、情報流通の手段を多様化している。ビジネス・プロセスは複雑であり、システム・リソース調達の手段は機器を購入することだけではない。また、様々なメーカーがサーバーやデバイス、ソフトウエアを提供している。確かにひとつひとつの完成度は高いかもしれないが、それらの組み合わせを一貫して保証してくれる仕組みはない。複雑に組み合わされる機器やソフトウェアの組み合わせに誰も責任を持てずにいる。
ビジネス・プロセスの多様化は課題の定義を難しくしている。また、解決手段の多様化とその組み合わせの複雑化は、お客様もベンダーもこれしかないという最適解を作ることを困難にしている。お客様は、この最適解を一緒に考え、その組み合わせを実現してくれるプロデュース力を営業に期待している。共創の関係を期待しているとも言えるだろう。
「世の中の変わった」を語り尽くすことなどできない。ただ、「何が変わったのだろう」、「なぜ変わったのだろう」、「じゃあどうすればいいのだろう」という思考のプロセスを持ち続けることで、私達は「変化」という歴史の常識にうまく適応できるようになる。
変化のない時代など、これまでに一度もなかった。「世の中が変わった」といってため息をついたところで、この歴史の必然を変えることはできない。ましてや、それを言訳に思考停止に陥り自分の責任を放棄するなど、何とも情けない話しだ。それよりも、その変化に関心を持ち「ならばこうしよう」と考え続けることのほうが、ずっと楽しいように思う。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
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この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
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SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
デジタル・トランスフォーメーションとは何か、SI事業者やITベンダーはこの変化にどう向きあえばいいのかを1冊の書籍にまとめました。これが「SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書」です。PDF/A4版・109ページのデジタル出版です。紙の書籍にすると200ページくらいのボリュームにはなると思います。もちろん、前著同様に掲載したチャートは全てロイヤリティ・フリーでダウンロードできるようにしています。
いまと未来を冷静に見つめ、SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーションにどう向きあえばいいのかを考えるきっかけになればと願っています。
内容は以下の通りです。
- デジタル・トランスフォーメーションとは何か
- デジタル・トランスフォーメーションの定義
- デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー
- SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション
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ITビジネスの未来は大いに開けています。ITは私たちの日常や社会活動にこれまでにも増して深く関わり、アンビエント(環境や周囲に溶け込む)になっていくでしょう。そこには新たなビジネスチャンスが待っています。しかし、そのチャンスを見つけるためには、視線を変えなければなりません。もはやこれまでのSIビジネスの視線の向こうには、新しいビジネスチャンスはないのです。
じゃあどうすれば良いのでしょうか。本書で、そのための戦略と施策を考えるきっかけを見つけていただければと願っています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 5月度版リリース====================
- SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
- 「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツ
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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
- 教科書 全109ページ
- PDF版
- プレゼンテーション 全38ページ ロイヤリティフリー
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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ
ITトレンドの読み解き方とクラウドの本質
ソフトウェア化するインフラと仮想化
クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
IoT(モノのインターネット)
AI(人工知能)
データベース
ストレージ
これからのアプリケーション開発と運用
これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
ブロックチェーン
量子コンピュータ
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26