常に被災者のためになるかを問い続けながら、ITを活かすことで、災害対応のための支援を行う
「これは、尋常じゃないですよ!机の下に入りましょう。」
東日本大震災から7年が過ぎた。震災の当日、私はお客様先で打ち合わせをしていたが、あまりの大きな揺れに、これはまずいと感じ大声で叫んだ。
それから2月後の2011年5月9日に有志とともに開いた「緊急営業会議」には、IT企業の営業やマーケティングの関係者が150名ほど集まり、自分たちに何ができるかを話し合った。
程なくして、そのご縁でつながった方のコーディネートで「東北発日本へ!そして世界へ!」というテーマで、東北地域のIT企業の皆さんに営業やマーケティング、テクノロジートレンドについてのボランティア研修を仙台で行うことになった。その前日の7月10日、はじめて被災地である南三陸町をおとずれた。
その時の光景はいまも忘れることができない。360度が瓦礫に埋め尽くされていた。潮を被ったためだろうが、ムッとする生臭さは馴れるのに少し時間がかかった。そして、ものすごい数の蠅が飛び回っていた。
それをきっかけに、以降毎週のように南三陸町に通うようになった。何がそうさせたのか、いまとなってはいろいろと理屈も言えそうだが、あのときの圧倒的な光景が行かずにはいられない衝動となっていたことは確かだ。
東京からも沢山の人を誘い、被災地をまわった。何かをするわけではなく、ただ被災地をまわり地元の人と話を聞く。それもまた、被災地への理解を促し、支援の輪を拡げる一助になると信じていた。
仙台を拠点にする「ITで日本を元気に!」という団体にも所属し、みんなで被災地にPCやタブレットを届け、情報収集や地元からの情報発信を支援する取り組みも行った。
いまでこそ、行く機会は少なくなったが、いまでも「南三陸町」という言葉を目にすると、なぜか懐かしく、普通の感覚ではいられない。そして、その言葉を先日の土曜日(6月23日)に慶応大学の日吉キャンパスで目にした。
この日、日吉で行われる「情報支援レスキュー隊(IT Disaster Assistance and Response Team 略称:IT DART)」の4年度総会と記念ワークショップに参加するためだ。
東日本大震災以降、ITに関わる人たちが自分たちのスキルを活かして被災地支援ができないだろうかと、いろいろな取り組みを行っていた。そんな人たちが自分たちのこれまでの取り組みを冷静に見直し、意見を交換し合い、新しい化学反応を起こそうと2013年10月に開催した「IT×災害会議」の議論の中で、ITスキルを持つ人たちが発災後直ちに被災地に赴き、情報収集や活用、発信を行うための緊急支援部隊を作ろうという話になり、それから2年間の議論を重ね2015年にこの組織が設立された。
「議論は尽くした。とにかく組織を作って動きだそう!」
そんな見切り発車の組織も4年目を迎える。
"遅々として進んでいる"
そんな言葉がふさわしいかもしれない。常総の大洪水、熊本地震、九州北部豪雨など、設立後に起こった様々な災害に隊員が赴いた。そして先日の大阪での地震でも取り組みが始まっている。そして、そういう災害に対応することを通じて、毎回反省し、新たな気付きを得て少しずつではあるがIT DARTとしてのアイデンティティもできあがってきたように思う。
記念総会では。大阪の地震の様子を現地にいた人たちに報告を頂き、自分たちに。いま、そしてこれからできることは何かを議論した。そんな議論を通じて、まだまだできていないことがいっぱいあるなぁと思い知らされた。
翌日は、朝から「見える化システム」の入力作業を手分けして行った。これは大阪の地震に関わるボランティア団体の活動を登録し、それを見える化することで、円滑な支援のコーディネーションを行うためにIT DARTで開発したシステムだ。それに登録を行いながら、あらためて多くの人たちが災害支援に関わろうとしていることを心強く思った。
IT DARTはそんな人たちをITで支えてゆく組織でなくてはならない。あらためて、その意を強く持つことになった。
IT DARTには次のようなクレドがある。
常に被災者のためになるかを問い続けながら、ITを活かすことで、災害対応のための支援を行う。
災害大国の日本に住む私たちは自分たちで、この国で生きてゆかなければならない。そして、動かなくちゃいけないと思う。ぜひ、多くのひとに関わって欲しいと願っている。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
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この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
デジタル・トランスフォーメーションとは何か、SI事業者やITベンダーはこの変化にどう向きあえばいいのかを1冊の書籍にまとめました。これが「SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書」です。PDF/A4版・109ページのデジタル出版です。紙の書籍にすると200ページくらいのボリュームにはなると思います。もちろん、前著同様に掲載したチャートは全てロイヤリティ・フリーでダウンロードできるようにしています。
いまと未来を冷静に見つめ、SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーションにどう向きあえばいいのかを考えるきっかけになればと願っています。
内容は以下の通りです。
- デジタル・トランスフォーメーションとは何か
- デジタル・トランスフォーメーションの定義
- デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー
- SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション
- デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる人材
ITビジネスの未来は大いに開けています。ITは私たちの日常や社会活動にこれまでにも増して深く関わり、アンビエント(環境や周囲に溶け込む)になっていくでしょう。そこには新たなビジネスチャンスが待っています。しかし、そのチャンスを見つけるためには、視線を変えなければなりません。もはやこれまでのSIビジネスの視線の向こうには、新しいビジネスチャンスはないのです。
じゃあどうすれば良いのでしょうか。本書で、そのための戦略と施策を考えるきっかけを見つけていただければと願っています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 5月度版リリース====================
- SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
- 「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツ
- その他、コンテンツを追加
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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
- 教科書 全109ページ
- PDF版
- プレゼンテーション 全38ページ ロイヤリティフリー
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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ
ITトレンドの読み解き方とクラウドの本質
ソフトウェア化するインフラと仮想化
クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
IoT(モノのインターネット)
AI(人工知能)
データベース
ストレージ
これからのアプリケーション開発と運用
これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
ブロックチェーン
量子コンピュータ
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26