デジタル・トランスフォーメーション(1/5)限界費用ゼロ社会を引き寄せるデジタル・トランスフォーメーション
文明批評家のジェレミー・リフキンは、その著書「限界費用ゼロ社会」の中で、経済パラダイムの大転換が進行しつつあると述べています。
彼は、これまでの歴史を振り返り、過去の産業革命は、3つ分野でのイノベーションによって生みだされたとしています。
- 経済活動をより効率的に管理する新しいコミュニケーション・テクノロジー
- 経済活動により効率的に動力を提供する新しいエネルギー源
- 経済活動をより効率的に動かす新しい輸送手段
テクノロジーの発展により、これらの効率性や生産性が極限にまで高まり、モノやサービスを生み出すコスト(限界費用)は限りなくゼロに近づくと予見しています。そして、将来モノやサービスは無料になるとものべています。それに代わり、人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する共有型経済(シェアリング・エコノミー)が拡がり、新しい社会が実現するというのです。
このような社会が数年のうちに実現する事はありませんが、確実にその方向に向かってゆくことは確かでしょう。例えば、自家用車を持っている人が空いている時間を提供しタクシーのように人を乗せて運ぶ「Uber」、自宅の空き部屋や使っていない家を宿泊所として人に貸し出す「Airbnb」、印刷所が持っている印刷機を貸し出す「ラクスル」などのサービスが普及しはじめています。
私たちは、そんな「限界費用ゼロ社会」の到来を見越してビジネスのあり方を模索してゆかなければなりません。
彼は、このような社会が実現する背景に、IoT(モノのインターネット)の普及があるとしています。
- 膨大な数のセンサーにより、あらゆる「ものごと」がデータとして集められます。
- 集められた膨大なデータ(ビッグデータ)をAI(人工知能)によって解析して最適解を見つけます。
- その最適解で機器を制御し、人に指示を与えて、効率性や生産性を高めてゆきます。
こうやって生じた「ものごと」の変化は再びセンサーで捉えられ、同じサイクルを繰り返します。このようなIoTの仕組みが、効率性や生産性を極限にまで高めて「限界費用ゼロ社会」を生みだすというのです。
デジタル・トランスフォーメーションが進んでゆけば、ここに紹介した「限界費用ゼロ社会」が到来することになるかもしれません。そんな時代に企業として生き残り、成長してゆくためには、自分たちにすり込まれた常識を転換し、お客様と共に新たな常識を生みだしてゆかなければなりません。
SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
デジタル・トランスフォーメーションとは何か、SI事業者やITベンダーはこの変化にどう向きあえばいいのかを1冊の書籍にまとめました。これが「SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書」です。PDF/A4版・109ページのデジタル出版です。紙の書籍にすると200ページくらいのボリュームにはなると思います。もちろん、前著同様に掲載したチャートは全てロイヤリティ・フリーでダウンロードできるようにしています。
いまと未来を冷静に見つめ、SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーションにどう向きあえばいいのかを考えるきっかけになればと願っています。
内容は以下の通りです。
- デジタル・トランスフォーメーションとは何か
- デジタル・トランスフォーメーションの定義
- デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー
- SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション
- デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる人材
ITビジネスの未来は大いに開けています。ITは私たちの日常や社会活動にこれまでにも増して深く関わり、アンビエント(環境や周囲に溶け込む)になっていくでしょう。そこには新たなビジネスチャンスが待っています。しかし、そのチャンスを見つけるためには、視線を変えなければなりません。もはやこれまでのSIビジネスの視線の向こうには、新しいビジネスチャンスはないのです。
じゃあどうすれば良いのでしょうか。本書で、そのための戦略と施策を考えるきっかけを見つけていただければと願っています。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
- ITって凄い
- ITの仕事はこんなにも可能性があるんだ
- この業界に入って本当に良かった
この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 5月度版リリース====================
- SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
- 「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツ
- その他、コンテンツを追加
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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
- 教科書 全109ページ
- PDF版
- プレゼンテーション 全38ページ ロイヤリティフリー
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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ
ITトレンドの読み解き方とクラウドの本質
ソフトウェア化するインフラと仮想化
クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
IoT(モノのインターネット)
AI(人工知能)
データベース
ストレージ
これからのアプリケーション開発と運用
これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
ブロックチェーン
量子コンピュータ
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26