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「どうやってITについての知識を学べばいいのでしょうか。なにかいい本はありませんか?」へのお答え

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「どうやってITについての知識を学べばいいのでしょうか。なにかいい本はありませんか?」

新入社員研修でITトレンドについて講義をすると、こんな質問を頂くことも多い。正直なところ、「これが正解」と申し上げられるものはない。人それぞれに求めることも違えば、置かれている状況も違う。好き嫌いもあるだろ。だからといって、何も答えらないというのは、講師としての面子がまるつぶれだ(笑)。

そんなわけで、答えとして、私がやっていることを紹介することにしている。

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1.朝のゴールデンタイム

社会人にもなれば残業など当たり前だし、夜の付き合いも仕事のうち。また、趣味や家族のためにも時間を使わなくてはならない。当然、昼間は仕事に忙殺される毎日だから落ち着いて勉強できる時間などない。そうなると残された時間は朝しかない。

私の場合は、毎朝5時前に起床している。これは最近はじめたわけではなく、新入社員の頃からの習慣だ。 当時の私の上司は、平気で夜の十時にミーティングを招集するような人だった。そのミーティング終わって「明日の朝、お客さんに持って行くから、それまでに資料、作っといて!」などは日常茶飯事で、いま思えば実にブラックな会社だった。また、仕事仲間とのカラオケやお客様との会食もある。当然夜の時間はない。そうなると、仕事を片付けるためには朝しか時間がない。朝早く起きて朝一番でオフィスに出て行く習慣は、そんなやむにやまれぬ事情があったからだ。

しかし、いま思うと、これは私にとって大きな財産となった。だれもいないオフィスでお客様からの電話もない。当時は、電子メールもなかったので、自分の時間に没頭できた。

新聞や雑誌を読む、営業資料や製品のマニュアルに目を通す、資料をまとめる、前日の仕事のレポートをまとめるなど、自分でコントロールできる時間を作ることができた。日中はこき使われる身だったので「自分でコントロールできる」は貴重だった。これもまた、そんな時間を作ろうという意欲の源泉だったと言えるだろう。

サラリーマンをやめてもこの習慣は変わることはなかった。なんといっても、仕事がはかどるという、一度手にした快感は捨てがたい。また、貧乏性なので、目が覚めたのに何もしていない時間がもったいないと思ってしまい、結局は三十年以上も続けている。

朝に自分のためのゴールデンタイムを持ってくるという習慣。仮に1時間いつもより早く目覚め、この時間を持てば、10年間で1.5年間分(1日8時間換算)自分のためだけに時間を費やしたことになる。これは凄い時間だ。

「朝の時間を作る」

決心するのではなく行動することからはじめよう。それが日常の行動習慣になれば、できないことが悔しくなる。そうすれば自ずと決心が固まる。

コーヒーの一杯でも飲みながら冴えた頭で脳みその体操を行う。脳みそは、一生付き合う相棒だから、まあそれぐらいのことをしてやってもいいのではないだろうか。

2. ソーシャル・ウオーキング

私はTwitterやFacebookという大変優秀な教師のお世話になっている。

最近はあまり聞かなくなったが「キュレーター」という言葉がある。もともとは、博物館や図書館で収集資料の研究に携わり、専門知識をもって展示の企画や収集物の管理業務にあたる人をさす言葉だ。日本語の学芸員に相当する。

ネットの世界にも数多くのキュレーターが活躍している。AIやIoT、クラウドやネットワークなどのITの世界に留まらず、美術や生活、雑学も含め、様々な分野で、自分の趣味や価値観を基準に情報を収集し、それをブログにまとめること、TwitterやFacebookで紹介している人が少なくない。

これぞという人に出会うと「フォロー」や「購読」をする。友達申請をお願いすることもある。そうすると、彼等は私の教師となり、自分が探さなくても、それぞれの専門分野で毎日貴重な情報のありかを教えてくれる。

「偏りがあるのでは?」

全くその通りで、実に偏りがある。だからこそ、そこには自分には気付かない視点があり、新しい気付きがある。

また、「同じような話ばかりが紹介されるのでは?」

そんな疑問もあるかもしれないが、多くの人が話題にしているということは、それだけ社会的関心が高いことでもある。また、その人なりの解釈や意見も付記されていて、自分の狭量に気付かせてくれることもしばしばだ。

キュレーターが紹介してくれている情報を、散歩するように見てゆく。そして、これぞと思う書き込みがあれば、そのリンク先をクリックしさらにその情報について、深く読み込むことにしている。もっと知りたいと思えば、本を買う。そうやって、自分でキュレーターを使いこなしている。

「TwitterやFacebookなんかしている暇ありませんよ」

電車の中で漫画を読んだりゲームをする暇があるのなら、十分に時間はあるはずだ。確かに私も「遊びすぎ」だか、得られる情報の多さと幅の広さは、自分ひとりでできる量を遥かに超えている。おかけで情報収集の能力が飛躍的に拡大できる。だらだらと散歩をするというよりも、覚悟を決めて楽しい遠足に行く。「逍遙」などという洒落た言葉がふさわしいかもしれない。

3. アウトプット思考

「他の人に説明するためには、どうすればわかりやすいだろうか」

そんなことを考えながら、情報を読む。気付いたことをFacebookで説明する。説明しようとすると、分かっていないなぁ、とがっかりだ。また、Evernoteにそのリンク情報と共に、説明するときのセリフを書き込んでゆく。

わかりやすく伝えることを意識しながら、ひとつのテーマでいろいろな資料を読み込んでゆくと、次第に枝葉と幹が見えてくる。そして、それを最後に自分の説明資料として書き出している。

ただ読むだけではなく、だれかに説明するために読む。説明するとなると、うかつなことは言えない、物事の本質を見極めようという態度になる。また、何よりも、人が関心を持ち、話題になりそうなテーマは何かを探すようにもなる。そんなことが、トレンドを追いかける眼を養ってくれてくれるのかもしれない。

「伝えるために学び考える」が、「アウトプット思考」だ。

「知識の逍遙」

ちょっとかっこよく申し上げればそういうことかもしれない。何かに合格するための勉強ではないし、何かの役に立つから学ぶわけではない。学ぶと言うことを遠足のように楽しむいといった感覚に近い。

ITの知識に限らず新しい知識に触れられる時間は、本当に楽しいものだ。朝の1時間、ソーシャルを散歩し、スナップ写真を残す。勉強法と言えるかどうかは分からないが、私はそんな楽しみ方をしている。

【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修

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IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。

しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。

そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。

参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。

社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。

  • ITって凄い
  • ITの仕事はこんなにも可能性があるんだ
  • この業界に入って本当に良かった

この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。

よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書

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デジタル・トランスフォーメーションとは何か、SI事業者やITベンダーはこの変化にどう向きあえばいいのかを1冊の書籍にまとめました。これが「SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書」です。PDF/A4版・109ページのデジタル出版です。紙の書籍にすると200ページくらいのボリュームにはなると思います。もちろん、前著同様に掲載したチャートは全てロイヤリティ・フリーでダウンロードできるようにしています。

いまと未来を冷静に見つめ、SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーションにどう向きあえばいいのかを考えるきっかけになればと願っています。

内容は以下の通りです。

  • デジタル・トランスフォーメーションとは何か
  • デジタル・トランスフォーメーションの定義
  • デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー
  • SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション
  • デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる人材

ITビジネスの未来は大いに開けています。ITは私たちの日常や社会活動にこれまでにも増して深く関わり、アンビエント(環境や周囲に溶け込む)になっていくでしょう。そこには新たなビジネスチャンスが待っています。しかし、そのチャンスを見つけるためには、視線を変えなければなりません。もはやこれまでのSIビジネスの視線の向こうには、新しいビジネスチャンスはないのです。

じゃあどうすれば良いのでしょうか。本書で、そのための戦略と施策を考えるきっかけを見つけていただければと願っています。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 5月度版リリース====================

  • SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
  • 「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツ
  • その他、コンテンツを追加

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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書

  • 教科書 全109ページ 
  • PDF版
  • プレゼンテーション 全38ページ ロイヤリティフリー

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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ

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 これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26

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