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「年度末で忙しくて」と大切なことを後回しにしている人へ

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「申し訳ありません。年度末で慌ただしくて、少し待って頂けませんか?」

20代の女性に任せた仕事の進捗を確認したところ、こんな返事が返ってきた。

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たぶん、彼女はパニックに陥っているのだろう。電話先の声に多少のいらだちが含まれていた。

私は、電話を切り彼女にメールをしたためた。

「こういう忙しいときだからこそ、アイゼンハワー・マトリックスで自分のタスクを整理してみたらどうだろう。そのために必要なことは、10分間の時間と一杯の珈琲だけだから。」

以前彼女にアイゼンハワー・マトリックスを教えた。そして、やってみるととても仕事が捗り楽になったと言っていたのだが、この忙しさに忘れてしまっているのではないかと思ったからだ。

「アイゼンハワー・マトリックス」については、下記のリンク先を読んでもらえれば分かるので、ここで詳細を記すことはしない。ただ簡単に言うと、タスクを「重要」と「緊急」で整理して、「重要」を優先して取り組むことで、成果をあげようという考え方であり、手法だ。

ちなみに「タスク」とは、ある目的を成し遂げるために取り組むべきひとつひとつの作業のことを言う。元々は、多忙を極めるアメリカ大統領アイゼンハワーが仕事の優先順位を管理するために持いた手法と言われている。

「緊急」を優先すると忙しさに追いまくられ、タスクをやり終えても達成感が得られない。「重要」を優先すれば確実に成果に結びつく。その達成感と成長の実感が、さらに自分のモチベーションを高めてくれる。言うなれば成長のサイクルを自分の中に呼び込むテクニックでもある。

また、彼女にはこんなこともアドバイスしている。

「毎朝仕事を始める前に、10分間のイメージ・トレーニングをやってください。今日一日の仕事の予定を思い浮かべ、どのようにすれば円滑に流れてゆくのか、そのために必要な準備は何か、今日中に終わらせておかなければならないことは何かを考えてください。気がついたことをアイゼンハワー・マトリックスに書き出してください。それであなたの仕事は60%削減できますから。」

これは私が新入社員のころからやってきたやり方であり、実感だ。私の場合は、これに加えて朝の勉強時間を1時間以上持つことを心がけてきた。そんなリズムを作れれば、これは一生の財産になる。そんなことも彼女に伝えていた。

「何から勉強すればいいのでしょう?どんな本が役に立ちますか?どこのWebサイトを見れば仕事の役に立つでしょうか?」

そんなことを考える前に、朝の1時間を自分の習慣にすることだ。習慣とは、やらないと気持ちが悪いという感覚を持つようになることだろう。例えば、朝起きて歯を磨かないと気持ちが悪い、あるいは、出なくてもトイレに座らないと落ち着かない。そんな感覚と同じように、朝の1時間を作れないと気持ちが悪いと感じられる習慣を持つことが、自分の大きな財産になる。

「決心してから行動する」はうまくいかない。まずは行動して、習慣化することだ。そうすれば、結果として決心は固まる。

年度末の忙しいときだからこそ、自分の限界を感じている人が多いのではないか。こういうときだからこそ、アイゼンハワー・マトリックス、朝のイメージトレーニング、朝の1時間を始めて見てはどうだろう。きっと限界だと感じていることが、意外とそうではないことに気付くだろう。

ちなみに、「朝は苦手なので」と言う人がいるが、その多くは言い訳だ。確かに、本当に病気の人もいるので、全員とは言わないが、「朝は苦手」と自分で自分を決めつけているだけ。考える前に行動してみてはどうか。意外と自分の可能性が広がることに気付くだろう。

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プラットフォーム&インフラ編
【新規】従来システムとハイパーコンバージド・システムとの違い p.136
【新規】ハイパーコンバージド・システムのメリット p.137

ビジネス戦略編
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの定義 p.18
【新規】ITをビジネスの成果に結びつける考え方 p.48
【新規】事業会社の担うべき責任 p.49
【新規】注意すべきITベンダー・SI事業者の行動特性 p.50

サービス&アプリケーション・先端技術編/AI
【新規】人間は何を作ってきたのか p.10
【新規】知的介助: amazonの戦略 p.32
【新規】学習データと結果の関係 p.93

サービス&アプリケーション・先端技術編/IoT
【新規】デジタル・コピー/デジタルツイン p.25
【新規】amazonのデータ収集戦略 p.26
【新規】IoTビジネスはモノをつなげるのではなく物語をつなげる取り組み p.42
【新規】様々な産業に変革を促すデジタル・トランスフォーメーション p.95

運用と開発編
【新規】変わる情報システムのかたち p.6
【改訂】アジャイル開発の基本構造 p.17
【改訂】スクラム:自律型の組織で変化への柔軟性を担保する p.25

テクノロジー・トピックス編
【新規・改訂】armについての解説を新しい内容に置き換えました p.19-35

ITの歴史と最新トレンド編
【新規】量子コンピュータとは何か p.4

クラウド・コンピューティング編
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サービス&アプリケーション・基本編
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その他
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