「積極的に提案できる人材を育てたい」と言う前に考えて欲しいことがある
「相手からの指示を待って、それに従うことしかできません。もっと、積極的にこちらから仕掛け、提案できる人材を育てたいと思っています。そんな研修をお願いできないでしょうか?」
SIerの経営者や人材育成を担当される方からこんなご相談をいだくことがあります。しかし、大方はお断りせざるを得ません。それは、社員になんらメリットがないからであり、場合によっては、会社に実害を及ぼすことになりかねないからです。
IT環境は大きく変わり、従来通りの人月や物販を前提としたビジネスモデルは、もはや限界にさしかかっています。経営者ならずとも、その状況は誰もが感じているはずです。
しかし、未だ「まだ何とかなる」と対策を先送りし、旧態依然としたやり方を変えようとしない経営者も少なくありません。
「いまのやり方、いつまで持ちますかねぇ?」
そんなご質問頂くこともありますが、「もう死んでますよ!」と申し上げることにしています。だって、稼働率は上がっていていても利益率が下がっているわけで、もはや付加価値はなく、自動化やクラウドの波がこれから一気に押し寄せてくれば、確実になくなる仕事に固執していて、"生きている"と言えるのでしょうか。
当然、現場の人たちは「これはまずいぞ、何とかしなければと」と考えているでしょう。そして、自分を守るために行動を起こします。このとき「消極的な行動」と「積極的な行動」に分かれます。
「消極的な行動」とは、思考停止に陥ることです。
「新しいことを仕掛けても、稟議で跳ね返されるだけ。ストックを増やせといっても自分の業績評価は売上と利益だから、ストックを増やすほどに評価は下がる。そんなことに時間を費やしいている暇があったら、いままでどおりのフローを稼ぐ仕事に時間をかけることが賢明だ。余計なことをやらないで、お客様の言うとおり、そして、会社の評価してくれるこれまで通りのやり方を続け、この会社にしばらく居続けよう。」
一方、「積極的な行動」とは、転職です。
「この会社には未来はない。この会社と一緒に沈んでしまいたくはない。自分には未来がある。もっと自分の才能伸ばせるところに移ろう。」
前者であっても、「ヤバイ」とは感じていますから、きっといろいろとストレスを感じているでしょう。そんなことがメンタルな負担を高めているかもしれません。
後者は、「優秀な人材」に多いでしょう。かれらがいなくなれば、遅ればせながら改革を進めようとしても、それを担ってくれる人材が既にいないわけですから、これは大変苦しいことになります。
このような状況を変えないままに「こちらから積極的に提案できる、仕掛けられる人材」を育成する研修を行っても、「消極的な人たち」はストレスを募らせるだけでしょうし、「積極的な人たち」の転職を後押しするだけになってしまいます。
ダブルスタンダードを現場に押しつけて両方やれと言い、業績が上がらないのはおまえたちの能力が足りないからと断罪し、気持ちを入れ替えろと活を入れ、研修で何とかしようと対処療法を試みようとする。これって、うまくいくはずがありません。
経営のもあり方や戦略と人材の育成は一体のものでなくてはなりません。それをないがしろにして研修で何とかしようというのは、無理のある話しです。
そして、経営者はテクノロジーにもっともっと関心を持って勉強すべきです。自分たちが置かれている状況が、いかに深刻であるかを知ることになるはずです。そうすれば、きっと必要な行動が見えてくるはずです。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
2017年12月版・改訂/追加リリース
最新版【12月版】を更改しました
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・量子コンピュータのプレゼンテーションを追加しました。
・各チャートの解説文を大幅に追加・改訂しました。
・デジタル・トランスフォーメーションについて追加・改訂しました。
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サンプル:量子コンピュータ
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRAよりロイヤリティフリーにてダウンロードできます。ほかにも、3000ページほどのプレゼンテーションやドキュメントがロイヤリティフリーでダウンロード(パワーポイント形式、ワード形式、エクセル形式)できます。
今月度の追加・更新の詳細は以下の通りです。
ビジネス戦略
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.5
【新規】デジタル・トランスフォーメーション実践のステップ p.11
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは p.12
【新規】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション p.13
【改訂】SIビジネスの変革を牽引するトレンド p.16
【新規】収益を生みだすビジネス構造 p.17
【新規】働く現場で何が起こっているのか? P.33
【新規】SI事業者の「働き方改革」 p.34
【新規】「働き方改革」で何を目指すのか p.35
開発と運用
【改訂・解説文】情報システムにもとめられる品質 p.5
【改訂・解説文】これからの開発と運用 解説文の改訂 p.6
【改訂・解説文】開発と運用の関係や役割を変革するDevOps p.25
【改訂・解説文】コンテナとDevOpsの関係 p.36
【改訂・解説文】コマイクロサービス p.38
【改訂・解説文】イベント・ドリブンとコレオグラフィ p.39
【改訂・解説文】超高速開発ツール p.41
【改訂・解説文】コレ1枚でわかるFaaS p.42
【改訂・解説文】これからのITとITビジネス p.48
【改訂・解説文】SRE(Site Reliability Engineer) p.49
【改訂・解説文】APIエコノミー p.51
インフラとプラットフォーム
【改訂・解説文】サーバー仮想化とコンテナ p.95
【改訂・解説文】デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化 p.97
【改訂・解説文】ストレージの仮想化 p.102
【改訂・解説文】SDNとNFV p.103
【改訂・解説文】SD-WAN p.104
【改訂・解説文】サーバー仮想化の3つのメリット p.106
【改訂・解説文】コンバージド・システムとハイパーコンバージド・システム p.135
【改訂】ストレージ性能の推移/1台当たりの容量 p.214
【新規】インフラでの重複排除/圧縮 p.220
テクノロジー・トピックス
【改訂・解説文】「ムーアの法則」と「メトカーフの法則」 p.5
【改訂】VRとARとMR (MRを追加、チャートと文言を改訂) p.14
【新規】従来の方法(集中台帳)とブロックチェーン(分散台帳) p.37
【新規】「量子コンピュータ」についての新章を追加 p.66〜79
量子コンピュータの必要性
これまでの古典コンピュータで解けない問題
循環セールスマン問題(組み合わせ最適化)
量子コンピュータとは何か
量子力学
量子コンピュータの適用分野
BitとQubit
量子コンピュータが高速で計算できる理由
量子コンピュータの種類
量子コンピュータの現状
自然現象を借用したアルゴリズム
量子イジングマシンとスパコン
D-Waveの計算原理
ITの歴史と最新のトレンド
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*追加・変更はありません
サービス&アプリケーション・基本
*追加・変更はありません
クラウド・コンピューティング
*追加・変更はありません