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【図解】コレ1枚でわかるIoTの三層構造 IoT[改訂版]

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IoTは、データを収拾してネットワークに送り出す「デバイス(=モノ)層」、そのデータを収拾・集約しクラウドにデータを送ったり、すぐに結果を返さなければならない処理を行ったりする「エッジ・コンピューティング/フォグ・コンピューティング層」、集められた膨大データを解析し、アプリケーションを実行、再びモノへとフィードバックする「クラウド・コンピューティング層」に大別することができます。

デバイス層」は、センサーや外部機器をつなぐためのインターフェイス、ネットワークにデータを送り出す通信機能、それらを制御するための処理機能が組み込まれたモノのことです。ここで、モノ自身から生みだされるデータや周辺のデータ、さらには接続された外部機器からのデータを受け取り、それをネットワークに送り出します。

それらデータが直接クラウドに送り出される場合もありますが、モノの周辺でデータを一旦受け取り、すぐに処理してフィードバックする、あるいは集約して必要なデータのみをインターネットを介してクラウドに送り込む仕組みが介在する場合があります。「エッジ・コンピューティング層」と呼ばれています。

このような仕組みが必要になるのは、モノの数が莫大なものになると次のような問題が起こるからです。

【通信料の増大】個々のモノに対する回線確保の費用や使用料が高額になってしまう

【ネットワーク負荷の増大】送り出されるデータが膨大になりネットワークの負荷が高まり、スループットが低下してしまう

【セキュリティ困難】機密性の高いデータが公開のネットワークに流れてしまう

【高遅延】モノとクラウドの間に地理的距離が存在するためネットワーク遅延が大きい

特にネットワーク負荷の増大や高遅延は、自動運転や医療、製造現場などの即応性が求められるIoTアプリケーションを実現するうえで大きな障害となります。例えば、このようなアプリケーションの場合、モノやその周辺の変化に即応してモノを制御したり、管理者や利用者にすぐに情報を提供したりといった対応が必要になります。それらを全てインターネットを介してクラウドにデータを送り、そのフィードバックを受け取ろうとすると、負荷の高さや遅延によってスループットが低下してタイミングを逸し、事故を引き起こす可能性もあります。そこで、モノの置かれている周辺で分散処理をさせ、直ちに処理させる必要があるのです。

このような目的のためにモノの周辺に置かれるコンピューターでの処理は、クラウド(雲)よりも地面に近いところで行われることから「フォグ(霧)コンピューティング」と呼ばれることもあります。

クラウド・コンピューティング層」は、これらデバイス層やエッジ・コンピューティング/フォグ・コンピューティング層から送られてきたデータを分析し、アプリケーションで利用します。その結果は、再び「モノ」の制御や使用者・管理者への情報提供というカタチでフィードバックされます。

IoTの様々なアプリケーションは、このような三層構造によって構築されてゆくと考えられています。

最新版(10月度)をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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・人工知能についての新規チャートと解説を大幅に増やしました。
・トレンドにコンピュータの歴史について新たなチャートを追加しました。
・講演資料として「未来を味方にする学び方」を追加しました。

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ITの歴史と最新のトレンド
【新規】コンピュータとは何か p.3
【新規】コンピュータ誕生の歴史 p.4
【改訂】歴史から見たITトレンド p.5
クラウド・コンピューティング
【改訂】クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model)・詳細 p.35
【新規】マルチテナント方式の課題を解決する選択肢 p.40
インフラ&プラットフォーム
 *変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術/人工知能とロボット
【改訂】コレ1枚でわかる人工知能とロボット・解説改訂 p.11
【改訂】人工知能の3つの役割と人間の進化・解説追加 p.11
【新規】自動化と自律化の領域 p.15
【改訂】自動化から自律化への進化 p.16
【改訂】人工知能やロボットの必要性・解説追加 p.22
【改訂】「人に寄り添うIT」を目指す音声認識・解説追加 p.35
【新規】機械学習と推論(1)〜(3) p.47-49
【新規】ディープラーニングの音声認識能力 p.55
【改訂】人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係・解説改訂 p.56
【改訂】第3次AIブームの背景とこれから・解説改訂 p.57
【改訂】「記号処理」から「パターン認識」へ・解説改訂 p.63
【改訂】人間の知性の発達と人工知能研究の発展・解説改訂 p.64
【新規】人間の知性と機械の知性 p.85
サービス&アプリケーション・先進技術/IoT
【新規】IoTの三層構造 p.41
ビジネス戦略
【新規】デジタル・トランスフォーメーション p.4
サービス&アプリケーション・基本
 *変更はありません
サービス&アプリケーション・開発と運用
 *変更はありません
トピックス
 *変更はありません

講演資料
未来を味方にする学び方
 実施日: 2017年9月26日
 実施時間: 50分
 対象者:ITベンダー・情報システム部門
 最新トレンドの勉強方法について、自ら体験を交えて解説。

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