【図解】コレ１枚でわかるIoTがもたらす２つのパラダイムシフト

IoTは、２つのパラダイムシフト（常識の転換）をもたらそうとしています。

ひとつは、サイバー・フィジカル・システム社会の実現です。

現実世界に埋め込まれ、ちりばめられたセンサーからのデジタル・データが生みだす「現実世界のデジタル・コピー（デジタル・ツイン）」を使って、

• 過去の事実からその原因や因果関係を発見する
• 現在の事実から最適な答えを見つけ出す
• 過去から現在の事実を分析し未来の出来事を高い精度で予測する

といったことをできるようにし、全体が協調、連携して、全体最適な社会基盤を造りあげようというパラダイムです。表現を変えれば、現実世界とサイバー世界が一体となって、リアルタイムに改善活動を繰り返し続ける社会基盤を作ろうというわけです。

このような取り組みが必要になるのは、新興国における急速な人口増加と経済の進展に伴い、地球資源の加速度的な消費増大が進行していることがあげられます。この状況に対処し持続可能な世界を実現することが、いまや重要な社会課題になっています。そこで、サイバー・フィジカル・システムによって全体最適な社会基盤を作り、利便性を犠牲にすることなく資源消費の無駄を無くして効率的な社会やビジネスの仕組みを作ってゆこうというわけです。

もうひとつは、「モノ」の価値の本質がハードウェアからサービスへとシフトすることです。

モノをインターネットにつなぎ、クラウドと一体化することで、モノ単体ではできなかった価値を生みだそうというパラダイムとも言えるでしょう。

モノはこれまで、「作って売ってしまえば終わり」が常識でした。これを「売ってからも継続的に関係を持ち続ける」という新しい常識へと変えることになります。そうなれば、

• モノそのものの魅力だけではなく、ものを売った後のサービスの魅力をも一体としてモノの価値と考える。つまり、モノの価値の本質を変えてしまう
• モノの利用状況がリアルタイムで正確に把握できるので、モノを売るビジネスからモノを貸し出し課金するビジネス、つまり「製造業のサービス業への転換」を可能にする

モノの価値の本質が変わりビジネスのありかたも大きく変わるかもしれません。このようなパラダイムもまた、利便性を高めつつ資源の消費や社会コストを引き下げてゆくことを可能にするのです取り組みと言えるでしょう。

IoTは、こんな２つのパラダイムシフトを生みだそうとしているのです。

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