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【図解】コレ1枚でわかる「人に寄り添うIT」を目指す音声認識

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私たちがはじめての道具を使おうとするとき、どのように操作すればいいのかを強く意識します。そして、マニュアルとつきあわせながら、ひとつひとつの操作についても意識し、操作の手順を確認し、記憶に定着させようとします。時には、やり方が分からなかったり失敗したりして、試行錯誤を繰り返しながら正しい操作を記憶に定着させてゆくはずです。そんな操作を繰り返してゆくうちに、マニュアルも必要なくなり、操作することを意識しなくても操作できるようになります。

例えば、パソコンであれば、キーボードというインターフェイスで操作します。最初は人差し指でひとつひとつキーを叩いていても、何度も使っているうちに五本の指でブラインドタッチできるまでに習熟してゆきます。人は、このようにして、当初意識しなければならなかった操作を、学習を重ねることで無意識にできるようになります。

しかし、そもそもキーボードをはじめて使う人にとっては、これまでの生活には存在しなかったものなので、その存在自体が大きな心理的抵抗になります。その抵抗を少しでも減らそうと登場したのがタッチ操作というインターフェイスです。

タッチ操作の登場により、操作が直感的になり心理的抵抗は軽減されました。最初は操作方法を意識することはあっても、直感的な操作は習熟を容易にし、短期間のうちに操作方法を意識しなくても使えるようになります。ただ、使うアプリケーション毎に操作方法は異なるので、どうしても初めて使う時には意識しなくてはなりません。そのハードルが、お年寄りや一部の人たちの利用を阻むことになります。

道具やアプリケーションの存在を意識することなく、操作方法も意識しないでいい。そんな機械とのインターフェイスとして期待されているのが音声操作です。普段使っている自然な言葉で語りかけるだけで、操作することができます。個々の機械やアプリケーションについての個別の操作方法を知らなくても、また曖昧な表現でも、操作される機械やアプリケーションが、その意図を解釈し、解釈できなかったら質問を返して確認してくれることで操作できるようになります。

例えば、お年寄りがコタツの上に座っているクマのぬいぐるみに、「NHKみたいんだけど、テレビを付けてよ」と語りかけるだけで、テレビを付けることができます。

残念ながら、現時点では完全に自然な言葉で機械を操作できる段階ではありません。はっきりと喋る、定型的な表現を使うなど、意識しなければならないことがあります。しかし、近い将来、そんなことも気にしなくてもよくなるでしょう。そうなれば、利用者の裾野やアプリケーションの適用領域が拡がってゆくと期待されています。

キーボードやタッチ操作は人間が使いこなすためにITに寄り添って行かなくてはなりません。しかし、音声操作になれば、人間が努力してITに寄り添う必要はなくなります。そんな流れが確実に生まれてきています。さらに考えるだけで操作できるインターフェイス「BMI(Braine Machine Interface)」も登場しようとしています。このようにITは人間に寄り添う方向へと向かいつつあるのです。

いま米国では、機器やサービスを音声で操作できるAmazon Echoが爆発的に売れています。2014年11月の発売以来、着実にその販売台数を増やし昨年末までに累計1100万台が売れているそうです。このAmazon Echoには音声認識と機器やサービスの操作をおこなうAlexaと呼ばれるソフトウェアが搭載されています。このAlexaに呼びかけるだけで様々な操作が可能になるのです。

現在、Alexaに対応したサービスや機器は1万5千を超えています。現時点では独壇場とも言える快進撃です。これに対抗しようとGoogleやApple、Microsoft、LINEなども製品を出し始めています。

まだ、登場して間もない領域ですが、人工知能の技術の発展と共に、今後、この市場は大きく拡大してゆくものと期待されています。

締め切りました!ITソリューション塾・第26期

ご案内を差し上げておりました「ITソリューション塾・第26期」が定員を超えましたので、お申し込みを締め切らせていただきます。多くの皆様のお申し込み、ありがとうございました。

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最新版【2017年9月】をリリースいたしました。

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【新規】IoTそれ自体は目的ではない p.49

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【更新】コレ1枚でわかる人工知能 文言の追加・修正 p.10
【更新】人工知能の3つの役割と人間の進化 文言の修正 p.11
【更新】Amazon Echo:機械との自然な関係を実現する音声対話 動画リンク p.127
【新規】AIタクシー、30分後の需要エリア予測 動画リンク p.128

サービス&アプリケーション・基本編
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サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】アジャイル開発の進め方 p.17
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【新規】ブロックチェーンの構造 p.38
【新規】ブロック追加の仕組み p.39
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【新規】ブロックチェーンが改竄できない理由 p.41
【新規】パブリックとプライベートの違い p.44
【新規】スマート・コントラクト p.45
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ITの歴史と最新トレンド編
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