なぜブログを毎日書き続けるのか、書き続けられるのか
「なぜ、毎日プログを書き続けているのですか?」
このような質問を頂くことがあります。その答えは、
「怖いから」
いまから22年前の1995年、36歳の時です。13年間、営業として勤めた日本IBMを退職し独立することにしました。日本IBMではそこそこの業績も上げていましたし、収入も人並み以上にありました。しかし、いつも自分のどこかで、「サラリーマンは自分には向かない」という漠然とした居心地の悪さを抱えていました。たまたま、退職金を上乗せする退職奨励のプログラムが発表されたこともあり、これを機に辞める決心をしたわけです。
日本IBMで人並みにやってこられた自信もあり、自分は「できる人間」だと、信じて疑わず、自分で仕事をはじめても失敗するはずがないという想いもありました。しかし、現実は実に冷たく厳しいものでした。それが「日本IBM」という看板の力であり、自分の実力などいうものは、与えられた枠の中だからこそできていたのだということを思い知らされることになります。
気がつけば、退職金も使い果たし、さあどうしたものかと追い詰められ、少しでも稼げることがあればと、自分の感性や信条には反していても、いろいろと手を出して痛い目にも遭いました。
そんな中で、救いとなったのは、様々な人たちとの繋がりです。かれらが、「これやってみない」と声を掛けてくれることも度々あり、そのおかげで何とか食いつないできたといってもいいでしょう。
そんな中でも、2008年から2009年のリーマショックの頃は、もうダメだと思いました。研修やコンサルの仕事はなくなり、暇をもてあます毎日でした。
あまりにも暇で、時間をもてあましていたこともあり、ブログなどというものがはやっているらしいので手を出してみようと、はじめたのはその頃です。
また、やはり暇なので、それまで自分なりに整理してきたソリューション営業研修のコンテンツや営業コンサルのために使っていたツールなどを無償で提供して「ソリューション営業モデル研究会」も立ち上げました。結局は70名/30社くらいの人たちの集まりとなり、そのときの人のつながりが、いまの自分の仕事を支える基盤となっています。
また、それでもやはり暇なので、これはなんとかこちらから仕掛けてゆかなければ、本当にまずいことになると、2009年からはじめたのが「ITソリューション塾」です。友人たちに頼み込んで、なんとか参加してもらったのですが、記念すべき第一期は、数名でのスタートでした。それを毎週1回の夜の講義を一期10週間、8年間24期続けてきました。いまでは毎期、60-80名が参加して頂けるようになりました。
この塾では講義資料は全てパワーポイントのオリジナル・ファイルをロイヤリティフリーで提供しています。
「研修資料をロイヤリティフリーで渡してしまったら受講生がいなくなり、同じような研修を誰かがやってしまうのではないか。やめたほうがいいよ。」
先輩諸氏から、そんな忠告も頂きましたが、結果はむしろ受講者を増やすことになり、それをきっかけに企業研修や講演、コンサルのご依頼を頂けるようになりました。また、書籍を出版してみないかというお声がけも頂くことができました。
塾で使った資料は随時「コレ1枚シリーズ」として、ブログで公開しています。また、どんどんと増えてゆくコンテンツを整理し直し、「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」として、千数百ページのドキュメントをロイヤリティフリーでダウンロードできるサービスもはじめました。
毎日ブログを書き続けているのは、この流れを止めたくないからです。止めてしまったら、生き残れなくなるのではという「恐れ」が、ブログを書き続ける原動力となっているのです。
人は、情報の源をたぐり寄せようとします。その源に自分がいれば、仕事のチャンスは自ずと生まれてきます。自分が流れを作らなければ、だれも自分の存在など気付いてくれないわけですから、もう必死です。ブログを書く、本を書く、勉強会を主宰するとは、そんな生存のための行為なのです。
「日本IBM」を退職したとき、その看板の大きさを思い知らされました。もちろん同じ大きさの看板になれるわけはありませんし、そのつもりもありません。でも、ひとりで生きてゆく程度の看板を維持してゆかなければなりません。そのための仕事のひとつが「ブログを書き続け」という行為なのです。
結局、続けられるとは、それが「楽しいから」という場合もあるのでしょうが、追い込まれ、あるいは、自らを追い込むことで、モチベーションを維持し続けることも1つの方法かもしれないと思っています。
最新版(2月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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*ビジネス戦略のチャートと解説を充実させました。
*人工知能の動画事例を追加しました。
*大手IT企業の現場改善大会での講演資料を掲載しました。
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ビジネス戦略編 106ページ
新規チャートの追加と解説の追加
【新規】ビジネス・プロセスのデジタル化による変化 p.6
【新規】ビジネスのデジタル化 p.17
【新規】ビジネス価値と文化の違い(+解説) p.19
【新規】モード1とモード2の特性(+解説) p.21
【新規】モード1とモード2を取り持つガーディアン(+解説) p.22
人工知能編 98ページ
【新規】Amazon Alexa (+解説) p.18
【新規】動画での事例紹介 Amazon Go p.94
【新規】動画での事例紹介 Amazon Echo p.95
【新規】動画での事例紹介 Tesla p.96
【新規】動画での事例紹介 Nextage p.97
IoT編 93ページ
LPWAについての記載を追加、また日米独の産業システムへの取り組みについて追加しました。
【新規】LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの位置付け p.47
【新規】ドイツでインダストリー4.0の取り組みが始まった背景 p.82
【新規】アメリカとドイツの取り組みの違い p.88
【新規】インダストリー・インターネットのモデルベース開発 p.90
【新規】日本産業システムが抱える課題 p.91
インフラ編 294ページ
【新規】Googleのクラウド・セキュリティ対策 p.72
基礎編 50ページ
変更はありません。
開発と運用編 66ページ
全体の構成を見直し、チャートや解説を追加しました。
【新規】自律型の組織で変化への柔軟性を担保する p.20
【新規】超高速開発ツール(+解説) p.37
【改定】FaaS(Function as a Service)に解説を追加しました p.39
トレンド編
変更はありません。
トピックス編
変更はありません。
【講演資料】変化を味方につけるこれからの現場力
大手IT企業の改革・改善活動についての全社発表会に於いての講演資料。
・実施日: 2017年1月25日
・実施時間: 90分
・対象者:大手IT企業の改善活動に取り組む社員や経営者
詳しくはこちらから
新刊書籍のご紹介
未来を味方にする技術
これからのビジネスを創るITの基礎の基礎
- ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
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斎藤昌義 著
四六判/264ページ
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