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【図解】コレ1枚でわかるCPSの仕組み

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IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、私たちの住む現実世界の出来事をデジタル・データに変換し、ネットの世界(Cyber World:電脳世界)に送り出す仕掛けです。そんなIoTが普及すれば、私たちの日常生活や社会活動は、きめ細かくリアルタイムにデジタル・データ化されることになります。

IoTを支えるインターネットにつながるモノの数は、2020年には500億個、そのわずか5年後の2025年には2兆個にもなると言われ、そのときには一人当たり250個ものインターネットにつながるモノに私たちは取り囲まれる計算になるのです。つまり、私たちの住む現実世界(Physical World)の緻密でリアルタイムなデジタル・コピーが電脳世界に出来上がる、そんな時代を迎えようとしているのです。

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このような現実世界のデジタル・コピーを持つことの価値は、それを使った様々な実験(シミュレーション)を電脳世界で行えることにあります。例えば、自動車や鉄道の交通網やそれを利用する人々の動きのデジタル・コピーを使い、そこに大地震や大津波が襲ってきたことを想定して、様々な実験を行うことができます。例えば、大津波で沿岸部の道路が寸断され、都心部ではビル火災が起きて道路が通行できなくなります。また、鉄道は停まりターミナル駅に人があふれてしまいます。そんな世界をいろいろと条件を変えて再現し、そのときにどのように対処すれば一番被害を減らすことができるのかをいろいろな確度から検証することが可能になり、防災・減災に役立てることができるのです。このような実験を現実社会で行うことは決してできません。

また、ウェアラブル・デバイスを持つ数千万人あるいは数億人の身体状況や行動のデータを様々な角度から分析し、病気を起こす可能性の高い生活習慣を見つけ出し、生活習慣の改善や予防措置を促すことができれば、大きな国家財政負担になっている医療費を削減することにつながります。

このような現実世界と電脳世界が、デジタル・データでつながり、一体となって機能する仕組みがサイバーフィジカル・システム(Cyber Physical System/CPS)です。

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ところで、電脳世界に構築されるこのデジタル・コピーですが、現実世界に存在するモノやヒトと根本的に異なる特徴があります。それは、物理的・地理的な障壁が存在しないことです。

例えば、私たちの住む現実世界では、自分の肉体を瞬時に数千キロ離れた別の場所に移動させることはできません。また、モノに直接触れなければ、それを使うことはできません。また、時間を巻き戻してやり直すことも未来の世界でいろいろと試してみることもできないのです。しかし、物理的実態のない電脳世界ではその制約はありません。物理的、時間的、地理的な制約故に実現できない仕事の流れも電脳世界では実現できるのです。

このようにデジタル・データによって構築される電脳世界においては、現実世界では実現できなかった仕事の流れを作り出すことができます。例えば、多くの自動車の利用状況がリアルタイムに電脳世界に開示されていれば、必要な時に誰もが自動車の空き時間を把握でき自動車を協同で利用することも可能になるでしょう。また、仲介者を介することなく世界中と様々な取引をすることもできます。このような仕組みは、ヒトやモノが物理的、地理的に固定されている現実世界だけではなしえないことなのです。

「既存の仕事の仕組みをデジタルで組み替え、新たな価値を生みだす」

効率化だけではない新たな価値を生みだすこのような取り組みは、「デジタル・トランスフォーメーション」と呼ばれています。CPSによってますますこのデジタル・トランスフォーメーションが拡がってゆくことになるのです


【募集開始】ITソリューション塾・第21期 2月9日 開講

次期・ITソリューション塾が、以下の日程で行われます。

次期講義では、企業システムとしてクラウドを活用するための実践的ノウハウ、IoT時代のセキュリティ対策、ビジネス・スピードに対応するためのアジャイル開発やDevOpsなど、皆さんのビジネスに直接関わる実践的な知識をしっかりと盛り込む予定です。是非、ご検討ください。

 詳細はこちらをご覧下さい。

  • 期間 初回2016年2月9日(火)〜最終回4月26日(木)
  • 時間 18:30〜20:30
  • 回数 全11回(特別補講を含む)
  • 定員 80名
  • 場所 アシスト本社/東京・市ヶ谷
  • 参加費用 9万円(+消費税)
  • 全期間の参加費と資料・教材を含む

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  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2015年1月版】

*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

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最新版【2016年1月】をリリースいたしました。

今月の目玉は、IoTと人工知能についての記述を大幅に刷新したことと、これからのビジネス戦略について、新たなチャート&解説を追加したことです。是非、ご確認下さい。

*全ての資料(529ページ)は全て無料で閲覧頂けます。

【インフラ&プラットフォーム編】(246ページ)
・見栄えや誤字の修正を行いました。内容の変更はありません。

【アプリケーション&サービス編】(199ページ)
*IoTと人工知能について、大幅に資料を刷新致しました。


IoT
・「IoTとは何か」を新規に追加しました。P.14
・CPS(Cyber Physical System)についての記述を追加、修正致しました。p.17-20
・自動運転車について新たなチャートを追加しました。p.23
・モノのサービス化について新たなチャートを追加しました。p.28
・IoTに関する事例動画を刷新しました。p.49-52

人工知能
・8ページの新規プレゼンテーションを追加し、全体のストーリーを変更しました。p.139-153

【ビジネス戦略編】(84ページ)
・「テクノロジードリブンの時代」を追加致しました。 p.3
・「ビジネスの変革を牽引するテクノロジートレンド」を2016年版に差し替えました。p.4
・「ポストSI時代に求められるスキル」を追加しました。p.5
・社会構造の変革に関する記述を追加しました。p.6-8
・「顧客価値と共創優位」を追加しました。p.9-10

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