案件クローズの決め技を教えよう
「このフォーキャスト、大丈夫なんだろうなぁ。今月受注ということだけど、ちゃんとお客様と確認取れているんだろうねぇ。」
年末も近づき、こんな上司のプレッシャーに胃を締め付けられている営業諸氏も多いのではないだろうか。
しかし、クローズ(受注をもらう)しなければと思えば思うほど、焦りばかりが募り、お客様との合意を取り付けることができない。そんなあなたのために、この状況を打開するとっておきの方法を教えよう。
「何がクリアできれば、受注を頂けるでしょうか。」
このようにストレートにてお客様に聞いてみることだ。
「金額が合わないというのであれば、いくらならご発注いだけるのでしょうか?」
「機能が不足だと言うことであれば、それはどこでしょうか。それができるようになれれば、ご発注いだけますか?」
「A社さんの見積はおいくらなんでしょう。それより金額を下げることができれば、ご発注いただけるのですか?」
このようにご発注いただける条件を相手に率直に聞いてみることだ。もちろん、それ以前にその他の諸条件で合意を取り付けておくことが前提となる。
「あと100万円安ければ予算内なので発注しても良い」
といった、具体的な条件が示されれば、それができるかどうかを判断し、できるのであればその条件を満たせばいい。そうすれば決まりだ。しかし、必ずしもこんな素直に条件が示されるとは限らない。
「いや、まだ決められない」
ということになれば、その理由をしっかりと確認することだ。予算がない、社内の合意が取り付けられていない、まだ検討の段階だとなれば、改めて対策を考えるしかない。もし、答えがあいまいであるのなら既に競合他社に決まっているかもしれない。いずれにしても、直ちにフォーキャストを変更することだ。
このようなクローズのためのメッセージを伝えないままに、妄想と思い込みの世界で受注の確度を考えてはいないだろうか。これでは、いつまで経っても胸のつかえは消えることはない。
このようなメッセージはお客様に取ってもプレッシャーになり、相手を追い込むことになる。そういうストレスを与えられた状況でこそ、相手は本音を覗かせる。そういう状況に相手を追い込み、相手の本音を聞き出すことこそ、クローズの決め技だ。
相手が決定を下す条件が曖昧なままでは絶対に受注できない。それを予算の期限内で明確にできるのなら、あらためてそのためのアクションプランを立て直すべきだろう。それが無理であるのなら、2つの考え方がある。
ひとつは、それを決められる人が他にいるのであれば、その人に同様のアプローチをすること。もうひとつは、この案件そのものを一旦フォーキャストから外し、もっと確度の高そうな案件に時間を割くべきだ。
クローズのメッセージを伝えることに躊躇する必要ない。それが営業の仕事だ。また、相手の条件が分かり、それを満たしてあげることは、お客様に取ってもありがたいことのはずだ。誰のためでもない、お客様のためでもあるのだ。
クローズのメッセージを言える関係になのであれば、それはそもそもクローズなどできない。まずは、お客様との関係作りからはじめるべきだろう。こちらの勝手な思い込みで「お客様との関係はうまくいっている」と考えていても、こういう言葉が伝えられない、あるいは、伝えても素っ気ない反応だとすれば、あらためて自分と相手の関係がはっきりと分かる。
考える前に行動してみてはどうか。白黒付けて胸のつかえを下ろしてから、正月を迎えてはどうだろう。
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今月の目玉は、「オンプレからパブリッククラウドへの移行」について、ドキュメントを追加しています。移行をご検討のユーザー企業・情報システム部門の方は企画書や経営会議の資料として、SIerの方はお客様の提案資料としてご利用頂けると思います。
なお、今月より「テクノロジー編」を「インフラ&プラットフォーム編」と「サービス&アプリケーション編」の2つに分割致しました。(全438ページとなり資料探しに手間がかかるようになったため)
【インフラ&プラットフォーム編】(246ページ)
- ハイブリッド・クラウドについて、各社の取り組みを比較しやすいように資料を作り直しました。P44
- PaaSについての解説をわかりやすく修正しました。p.55-56
- 「パブリッククラウドへの移行の勘所」と「パブリッククラウド移行の企画書・提案書の作り方」の章を新しく追加しました。SIerにとっては顧客提案資料として、また、ユーザー企業の方は経営会議や企画会議の資料としてご利用頂けると思います。p.77-94
【アプリケーション&サービス編】(192ページ)
- 誤字・脱字等を修正しました。内容に大きな変更はありません。
【ビジネス戦略編】(74ページ)
- 「SI事業者の成功要因の変化」を追加致しました。
- 「PEST分析と5フォース分析で見るクラウド化」を追加しました。
- 「事業再構築の逆Cカーブ」と「SIビジネスへの適用」を追加しました。
- 「基幹業務のAWS適用事例」を追加しました。
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目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン