"体験"を語れても"経験"を語れない残念な人
「私は、これまでこんな仕事をしてきました。」
だから、こんなコトができる、あんなコトができるので、仕事を紹介して欲しいというご相談を頂いたことがあります。
しかし、いろいろと話を聞けば、彼は"体験"を語るばかりで、"経験"を語ってはくれません。さて、どうしたものかと思案に暮れてしまいました。
"体験"とは、こんな仕事をした、こんなトラブルに対処した、こんな仕事を任されたといった個人的事実です。人は、そんな"体験"を通じて、いろいろなことを感じ、考え、自分なりの解釈を加え、そこにどのような教訓があるのか、パターンがあるのかといった体系化や抽象化を行い、個人的な事実を一般的な知恵として表現できるようになったとき、"体験"は"経験"となります。
"体験"をそのまま記憶しても、それが次に活かされることはありません。"体験"から気付き、考えることで見えてきた関係や意味が表現できなければ、「それがあった」という事実が存在するだけです。それでは、その人の成長に活かされることもなければ、他人に影響を与えることもできません。
"体験"を語る彼の言葉は、単なる思い出話や武勇伝であり、過去の栄光でしかありませんでした。その数々の"体験"を通じて自らは何を学び、どのような知恵を得たのかを最後まで分からないままでした。
"経験"の「経」には、「筋道」や「道理」といった意味があるそうです。また、「験」には、「しるし」や「事実」といった意味があります。つまり、"経験"とは「事実に道理を与えること」と理解できます。
営業という仕事においても、私たちは、日々様々な"体験"をしています。例えば、お客様から、「こういうことをしてほしい」という依頼を受けることがあるでしょう。しかし、それをその通り対応しているだけでは、"体験"を積み重ねているだけに過ぎません。「この依頼をもっと要領よくこなすためには、どうすればいいだろうか」、「お客様はなぜこのような依頼をされたのだろう。その理由が分かれば、ご依頼に応える以上の提案ができるのではないか」と考え、自分の"体験"を深く考え、"経験"に昇華できれば、それは自らの成長につながります。また、それを表現し、伝える言葉を持てば、人に教えることもできるようになります。
"体験"から学び、"経験"を積み重ねる
"体験"を積み重ねることに留まらず、感じて学び、考えた"経験"を積み重ねることが、自分もまわりの人も育ててゆくことになるのでしょう。
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目次
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- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン