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【図解】コレ1枚でわかるハイブリッドクラウド

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パブリックとプライベートを組み合わせ、それぞれの得意不得意を補完し合いながら両者を使い分ければ、コストパフォーマンスの高いシステムの使い方ができます。

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例えば、電子メールや情報共有などのコラボレーション機能など、自社の独自性がないものは、パブリック・クラウドのSaaSを利用し、セキュリティを厳しく管理しなければならない人事情報や個人認証は、プライベート・クラウドでおこない、その情報を使ってSaaSを利用できるようにするという使い方があります。

また、モバイルで、世界中どこからも使える経費精算サービスをパブリック・クラウドのSaaSとして利用し、そのデータを、プライベート・クラウドの自社専用の会計システムに取り込んで処理するという使い方も考えられます。

他にも、アプリケーション・システムを開発する際、社外のプログラマーと共同で作業を進めることや、開発に便利なツールを簡単に利用できるパブリックを使い、本番は自社専用のプライベート・クラウドに移して稼働させるといった使い方もあります。

さらに、災害への対応を考え、通常はプライベート・クラウドを使用し、データのバックアップや災害時の代替システムをパブリック・クラウドに置いておき、災害のためにプライベート・クラウドが使えなくなったら切り替えて使用し、業務を継続させようという使い方もあります。

このように、パブリックとプライベートそれぞれの得意をうまく組み合わせ、利便性やコストパフォーマンスの高いシステムを実現しようというのが、ハイブリット・クラウドについての一般的理解です。

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ただ、NISTの「クラウド・コンピューティングの定義」からは、少し違った解釈ができそうです。ここには、「ハイブリッドクラウド(Hybrid cloud)」について次のように書かれています。

「クラウドのインフラストラクチャは二つ以上の異なるクラウドインフラストラクチャ(プライベート、コミュニティまたはパブリック)の組み合わせである。各クラウドは独立の存在であるが、標準化された、あるいは固有の技術で結合され、データとアプリケーションの移動可能性を実現している。」

ここから読み取れることは、対象は、「クラウドインフラストラクチャ=IaaS」であること。そして、「実態は異なるインフラであっても、あたかもそれらがひとつのインフラであるかのように、データとアプリケーションを、両者を跨いで容易に行き来できる仕組み」であるということです。つまり、「プライベート・クラウドとパブリック・クラウドをシームレスなひとつのシステム」として扱おうという考え方です。

特定の企業が所有するプライベート・クラウドは、どうしても物理的規模や能力の制約を受けます。しかし、これをパブリック・クラウドと組み合わせて、ひとつのシステムとして扱えれば、実質的には上限を気にすることのない規模と能力を手に入れることができます。このような仕組みが「ハイブリッドクラウド」の本来の定義なのです

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いよいよ、今年最後のITソリューション塾・東京を開催いたします。

期間 初回2015年10月6日(火)〜最終回12月10日(木) 18:30〜20:30
回数 全10回
定員 60名
場所 アシスト本社/東京・市ヶ谷
参加費用
9万円(+消費税)
全期間の参加費と資料・教材を含む

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「最新のITトレンドとビジネス戦略を最新版に更新しました。

テクノロジー編【2015年8月版】(292ページ)

*新規ページを18ページを追加し、全292ページとなりました。
*最新の解説文を25ページ追加した。

・新たにERPの章を設け、18ページのプレゼンテーションを追加
・IoTおよびITインフラ(仮想化とSDI)に関するプレゼンテーションを一部改訂し、解説文を追加
・アナリティクスに関するプレゼンテーションを改訂し、解説文を追加

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目次

  • 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

>> 詳しくはこちらをご覧下さい。

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