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「残念な営業」を変えられるかもしれない方法(2/2)

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心の耳を閉ざし、自分という絶対神を信じて疑わない残念な人に、まわりが何を言っても変えさせることはできない。こういう場合は、カタチから矯正するしかないように思う。武道で言えば、「型」を徹底することだ。その過程で、気付きがうまれ、「型」が習慣化できれば、結果として、考え方も変わってくることを期待するしかない。

先日のブログ"「意識を変える」より「行動を変える」ことが先"でも述べたが、人の意識を変えさせることは容易なことではない。だから、「守破離」の原則に従い、まずは意識を変えさせるのではなく、行動を変えさせることからはじめてはどうだろう。残念な人に、守破離の全てを期待することはむつかしいが、まずは、営業の基本動作、すなわち「成功するための型」である「営業活動プロセス」に従ってもらうことだ。つまり、外部から基準をあてがい、自分の行動の課題を「見える化」する。そして、気付きの機会を与え、自ら変わろうとする気持ちを引き出すようにしむける。

これは、その本人のためというだけではなく、その部下や周りの人を、残念な人の影響力から隔離する手段ともなる。つまり、残念な人の「型」に影響を受けず、本来の「型」に接することができれば、心ある人は、自ら次の段階へと向かい始める。そのチャンスを与えることは、会社にとっても大きな意義がある。

私はどんな逆境の時にも確実に営業目標を達成する職人芸の域に達した営業を何人も見てきた。そういう人たちは、どなたも個性豊かで、決して人にはまねのできないような動きをする。残念ながら、その奥義(?)は、本人でも説明不可能であり、まねることなど、容易なことではない。

しかし、そういう人たちの行動を見ていると、かならず共通の行動パターンが存在することに気付く。私はこれを「できる営業の基本動作」といっている。例えば、初めてのお客さまに訪問するとき、可能な限り徹底的に情報を集め、お客さまの仕事や関心がどこにあるのかを探り、仮説を用意してお客さまとの対面に望んでいる。

また、何らかの意志決定を迫るとき、その意志決定者だけではなく、だれがその意志決定に影響を与える人なのか、だれが承認してくれる人なのかを組織図だけでは見えない人と人との力の関係を探り、丁寧に関係者を説得して回っている。

当たり前と言われれば、その通りなのだが、こういう当たり前をしっかりとこなしているからこそ、彼らは優秀なのだ。

そんな彼らの当たり前の行動、すなわち「できる営業の基本動作」を分析的に洗い出し、描き出してみる。そして、時間軸に沿って整理してみる、つまり、仕事の手順として、並べてみたものが、「営業活動プロセス」という「型」だ。

Sales_Process.png

私は、これを30ほどのプロセスに整理してみた。もちろん、取り扱う商材やお客さま、社内用語の違いはあるので、それぞれに合わせて手直しはすべきだが、いざやってみると、大きな流れに違いはない。このプロセスは、スマホの無料アプリ「SalesMeister Personal」としても利用できるようにしているので、試してほしい。

>> SalesMeisterホームページ

こういうもの作り、それに従って行動させる。実際には、チェックリストとして、案件やお客さま毎に自分の活動を評価させる。それをマネージメントは、営業会議の中で、必ず確認する。もはや文学的表現で言い逃れすることはできない。やったかやらないかのチェックを確認するわけだから、弁解の余地はない。

抵抗はあるだろう。でも、マネージャーは、それをこらえて、とにかくしばらく続けてみることだ。成果は、必ず出てくる。

残念な人が抵抗しても、その人以外の周りがそれを守り、行動が変わってくれば、もはや本人も言訳はできない。それで、自分も、この型を守ってみようと心変わりしてくれれば、儲けものだ。仮にダメだとしても、その残念な人以外は、次の段階へと進む準備ができてゆく。会社としては、全体として、底上げができるはずだ。

「何でそんなことができないんだ!」と怒鳴ってみても、血圧を上げるだけで、売上は上がらない。まずは、「型」を示すことだ。これに従わせて、チャンスを与えてみることだ。何もしないよりは、きっとなにかが見えてくるように思うのだが、いかがだろう。

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目次

  • 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

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