ポストSIビジネス:生き残れない営業
「生き残れない営業」チェック・リスト
- お客様とお客様の経営や業務について会話できない営業
- 自分がお客様の社長だったらと想像できない営業
- お客様のビジネスに興味がない営業
- 商品を購入させようとするが、お客様の目的を達成する気がない営業
- ひとつの商材に固執し、それ以外の選択肢を説明しない営業
- お客様の役に立つ話ができない営業
- カタログ通りの説明しかできない営業
- 夢を語れない営業
- 世の中を俯瞰し、自分の商材をその中に位置付けて説明できない営業
- 自分の知っていることが正解だと思って、押しつけがましい話をする営業
- やたら難しい言葉を駆使し、お客様に分かる言葉で説明しない営業
- 自分の話ばかりして、相手に話をさせない営業
- 相手の話を引き出そうとしない、あるいは引き出せない営業
- 相手の立場や状況について想像できず気が回らない営業
- 新しい技術やツールで自分のワークスタイルを進化させられない営業
- 社内や仕事関係者以外に付き合いがない営業
- スケジュール調整や段取りが下手な営業
- 作成資料が汚い営業
- 電車の中で漫画やゲームに没頭している営業
- NOを言えない営業
Facebookで「生き残れない営業」像を募集したところ多くのご意見を頂いた。それを整理し直したのが、この一覧だ。このリストを見ていると、改めて「生き残れる営業」の3つの条件が見えてくる。
お客様を大切に思うこと(1〜6)
相手を大切に思うならば、相手の幸せを望み、それを実現したいと願い、行動する。そのためには、相手をもっと理解しようと努力するだろう。今何に困り、何を実現したのか、業務や経営はどうなっているのか、そういった様々なことを知りたいと思うだろう。そして、相手を幸せにするにはどうすれば良いかと思案し、行動する。言葉を換えれば、「愛情」と言えるかもしれない。そう言う想いを持って相手に接すれば、相手もこちらを受け入れ、一緒になって対処しようと思ってくれる。
知識と想像力を持つこと(7〜14)
これは、愛情にも通じる話でもあるが、相手の全てを知ることは不可能だ。だから、想像を働かせ相手を理解しようと努める。そして、それを言葉や行動で示しながら、それが事実かどうかを確認して行く。無粋な言い方をすれば「仮説検証」ということになるだろう。
自分の主張だけをまくし立て、これが理解できないおまえがおかしいと言わんばかりに、相手の言葉を封じ込める営業がいるが、このような行為に及ぶのは、次のような3つの場合だ。
まず、知識がない場合。つまり、自分が知っていることが少ないために質問をされても応えられない。だから、自分の知っていることをまくし立て、相手に反論の余地を与えないようにして自分を守ろうとする。
ふたつ目は、自分を客観的に見られない場合。「オレはこんな努力をしているのになぜ分かってもらえないんだ」と同じ理屈だ。自分の知っていること、信じていることが正しいと思い込み、それを客観的な視点で批判的に評価しようとしない。これは、「勉強不足」いや「勉強嫌い」が原因の場合も多い。世の中のことを知ろうと努力すれば、自ずと自分の置かれている状況を客観的に見ることもできるようになる。自分が世界の中心ではなく、自分が世界のどこにいるかが分かるようになる。そういう冷静な目線をもてない場合もあるだろう。
最後は、想像力の欠如だ。相手が今どう思っているのかを想像できない。笑顔で頷いてくれているのが、たんなる社交辞令かもしれないとは想像もできない。自己満足に酔いしれ、まるで神様にでもなったかのような陶酔に浸っている。そんなわけはない(笑)。自分と相手の関係を想像できないことがこのような状況を生みだす。
いずれにしろ、想像力なくして、相手との良好な関係を気付くことはできない。そのためには、知識を広め、深めることが前提になる。全ての分野でとは言わないまでも、自分が専門としている分野であれば、あるいは、自分の担当するお客様についてであれば、誰よりも詳しいという自負を持てるだけの知識を持つ必要があるだろう。知識は、想像の精度や確度を高める。それを提示できれば、お客様は、貴方を信頼の置ける存在として認めてくれるようになるだろう。
自分を磨くこと(15〜20)
愛情や誠実さ、知識や想像力、これらをうまく働かせるには、武器を揃え磨かなくてはいけない。どんなに優れた提案であっても「汚い提案書」を平気で持って行くようでは、信頼はガタ落ちだ。スケジュールや段取りを確実に効率よくこなす能力も必要になる。テクノロジーに支えられたツールをうまく使いこなし、効率を高め知識を収集する努力も怠ってはいけない。知識の幅を広めなくてはいけない。本を読んだり研修に参加したりすることばかりが知識の獲得では内。お客様や社内以外の人たちとのコミュニティにも係わりことなど、自分を磨く機会をつくることに楽しみを感じられるようになることが大切だ。
いやいや、大変なことだ。でも、生き残りたいならそんな努力をしてみてもバチは当たらない。
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