コレ一枚でわかるIoTの構造
次回のITソリューション塾で、IoTについて講義をするので、こんなチャートを作ってみた。皆さんのご指摘やご批判を頂ければと願っている。
データの収集
モノに埋め込まれたセンサや他の機器とのインターフェイス(IF)を介して、モノの状態や周辺データ、環境データなどを収集する。
データの送信
収集されたデータは、ネットワークを介して送り出される。センサーネットワークやローカルなネットワークを介する場合もあるが、そのままモバイル・ネットワークに送り出される場合もある。あるいは、ネットワーク上にあるサーバーでデータの集約が行われ、容量を減らして上位のレイヤーに送り出される場合も考えられる。このような処理は「フォグ・コンピューティング」や「エッジ・コンピューティング」と呼ばれている。
データの蓄積
膨大なセンサが収集したデータは、ビッグデータとなるだろう。それを管理、処理できるストレージや管理システムが必要になる。
データの分析
データは分析され様々な知見、すなわちインテリジェンスが取り出される。
ノウハウの蓄積と機械学習
取り出された知見はノウハウとして蓄積される。さらに、ビッグデータを機械学習させることでさらなる知見や最適化のためのアルゴリズムを生成する。生成されたノウハウや最適化されたアルゴリズムは、分析や制御に受け渡され、解析精度の向上や制御の最適化に役立てられる。
モノの制御
ノウハウや最適化アルゴリズムを活用し、ネットワークを介してモノの制御を行う。
なお、「クラウド」についての記述だが、ここはクラウドなければいけないのではなく、オンプレミスのサーバーに置き換わることもあるだろう。ただ、膨大なデータの蓄積と分析や制御、機械学習など処理を必要に応じて大きくスケールさせなくてはならないと考えると、クラウドは最も現実的な選択肢になると考えここに明示した。
この絵を描くに当たっては、鈴木逸平氏のこの記事に大いに刺激を受けた。
「このモデルの重要な核になっているのは、データです。データを如何に有効活用するかどうか、が全てである、と言っても過言ではありません。」
なるほど思い、こんな絵を描いてみた。また、紹介されているチャートや用語も参考にさせて頂いた。
このチャートの作成と共に、以前公開したチャート「IoTプラットフォームの将来」もこの構造に倣って改訂をしたので、改めてご覧頂ければと思う。
昨今、IoTが、話題となり、次のビジネス分野としての期待も高まっている。しかし、その一方で解決すべき課題も多く、一気に普及することはないだろうとの意見もある。この辺りについては、谷川耕一氏のこの記事が参考になるだろう。
いずれにしても、IoTが今後の大きな潮流になることは間違えないだろう。これにちいては、林雅之氏が、この記事で整理されている。
このチャートは、ひとつの仮説に過ぎないが、こういう世界がこれからのビジネスにどういう変化やチャンスをもたらすかを考える上での参考にして頂ければ幸いだ。
* これらチャートを含む、IoTの講義テキストは、近々パワーポイント・データとして、「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」に公開させて頂く。
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