Data is the Next Oil: 新しいIT+IoTの時代において何が大事なのかを考える
ここ3ヶ月間のIT業界全体の動きを少し整理してみました。
以前のブログでSCAM(Social, Cloud, Analytics/BigData, Mobile)の4つの柱が牽引する市場が大いに注目されている事をご紹介しましたが、ここのところ、その話もさることながら、同じモデルがIoTでも展開されつつある事を示す記事や論評等が多くなってきています。
Ioが特に伸び始めているのは、次の3つの市場です。
- 自動車業界:自動運転、テレマティクス、車載OS、等
- スマートグリッド/スマートホーム:デマンドレスポンス、ホームセキュリティ、等
- 医療業界:Tele-Medecine、Population Health Management、ウェアラブル、等
また、これらの市場に対して新しいジャンルが加わり始めています。
- ロボティクス
- 宇宙市場:衛星技術
一つ、これらの市場を技術的な観点から統一したモデルを描く事を目的に次の様な絵を描きました。
冒頭で述べた、SCAMの各コンポーネントが従来のITインフラを拡張する事に大きく寄与している事、さらにそれによって作られるインフラモデルがIoTの世界にもそのまま適用する事が出来るだろう、という考え方です。
強いてあげれば、IoTの世界に於いては真ん中にある従来のIT環境がかなり小さくなってしまっている、という事です。このモデルをベースに理想的なITインフラを考えた時に、On-Premiseである必要性が無くなってしまっている、という事です。
この概念で考えると、如何にIT業界が広がりつつあるかという事と同時に、従来のモデルから脱却しないと適用出来ない、という大きな課題が課せられている、という事もよく見えるのでは、と思います。
もう一つ、とても重要な事に着目する必要があります。
このモデルの重要な核になっているのは、データです。
データを如何に有効活用するかどうか、が全てである、と言っても過言ではありません。ビッグデータは、今まで捨てていたデータを大量に処理する事によって活かすための手段、モバイルは広い範囲からそのデータを収集する手段、アナリティクスはそのデータを分析して企業判断に直結する材料にする手段、クラウドはその大量に発生するデータを効率よく管理/運用するプラットホームとしての手段、ソーシャリゼーションは自分で精製したデータのみならず、広い世界からさらに色々な角度からデータを収集する手段、といった様に、昨今の新しい技術イノベーションは全て、データをどう活用するか、ということに集約されます。
従って、上記のコンセプト図も、ITインフラの構造をモデル化している様に見えながらも、本質的な目的はそこには無い、という事を是非理解して頂きたいと思います。
本当の目的は、ITであろうと、IoTであろうと、核にあるのは、データであって、その周りに様々な技術や手法が取り巻いて新しい時代を築いている、という事です。
"Data is the Next Oil"
という言葉の意味を是非噛みしめてみて下さい。
原油を掘っただけでは何も役に立ちません。それを精製してガソリンやプラスティック製品に加工する人がいてはじめて世の中に役立つものになるわけです。
データベースの世界に身を置いている方にとっては指して新しい言葉では無い、とは思いますが、ITの世界のみならず、身の回りのかなりの要素に今やこの言葉を実践してソリューションを作り上げている会社が北米では多く登場しています。
日本でも新しいIT時代においてグローバルに躍進するチャンスでもある、と思ってます。そう思うと、とても興奮する毎日です。