Chromebookはクラウド時代のWindows PCになれるだろうか
Google Chromebookが、日本でも発売されることになった。私もGmailは言うに及ばず、Google Appsの様々なサービスを使い始めるようになり、その便利さを実感している。
米NPDグループの調査によると、米国内の2013年法人向けコンピュータ売上デスクトップやノート、タブレットを合算した全体の売上台数が、前年同期比で0.2%から9.6%にまで急伸している。ノートPCに限れば、約21%を占めるほどになっている。
Chromebookとは、一言でいえば、GoogleのChromeブラウザーを動かすために最適化されたオペレーティング・システムChrome OSを搭載したノートPCだ。同じくGoogleの提供するAndroid OSとの比較チャートを掲載する(ITソリューション塾の共同講師・大越章司さん作成)。
主な特徴は次のとおり。
- Webブラウザーだけが動作し、他のアプリケーション・プログラムを導入することができない。
- Webブラウザーだけ動作すればよいので、高性能なCPUや大きなメモリーを必要としない。
- ユーザーデータはローカルには保存せず、クラウド上に保管されるためローカル・ストレージはChrome OSとWebブラウザーだけが保存できる程度(約16GB)あればいい。
- 起動時に動かすプログラムモジュールが少なく起動が早い。
- IntelとARMの低消費電力CPUに対応。必要とされるその他のハードウェア能力も小さく動かすプログラムも少ないので、バッテリが長持ちする。
- 常に最新の状態が自動的に維持される。
- OSがOSSであり、無償で提供される。
- 価格が200~300ドル程度の低価格。
詳細な機能や特徴については、別の記事に譲るが、もっとも重要な特徴は、PCのアプリケーション・プログラムをインストール型からWebサービス型へとシフトさせたことにあるだろう。これにより、個々のPCにプログラム導入することや運用管理のための負担が大幅に軽減される。管理も一元化され、管理対象も減ることから、ガバナンスを担保しやすくなりセキュリティ的にも有利になる。Microsoftのoffice365もChromeブラウザーで使えるようだから、業務環境の移行の壁もそれほど高くないかもしれない。
このように見てゆくと、法人で使うPCとしては、大変好都合な条件がそろっている。ビジネス合理的に割り切って使うことを得意とする米国で普及するのも当然と言える。これに対して、新しいモノにすぐに手を出さない日本の企業文化の中で、どこまで普及してゆくのだろうか。
しかし、大きな流れを見れば、システム・リソースはクラウドへと向かっている。ユーザーには、クラウドを覗ける「窓」があれば良い。Chromebookは、そんなクラウドの新たなWindowsになろうとしているのかもしれない。
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