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タブレットのビジネス利用に関する考察。タブレットはオフィスのセカンドデバイスとして普及する

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先日、ニールセンが面白い調査レポートを発表した。米国のホリデーシーズン期間に米国の子供たちが一番欲しがっている電子機器の1位が、なんとiPadなんだそうだ。特に、6~12歳の子供に人気が高く、前年の31%から13ポイントも増加した44%が、クリマスプレゼントにiPadが欲しいと回答しているという。また、13歳以上の子供についても、24%ながら前年よりも6ポイントアップし、順位は4位から1位に上がっている。

子供たちが、ゲーム機やパソコンよりも、タブレットに魅力を感じているというこのニールセンの調査結果をどう捉えるか。実は、今回の調査結果には納得できるものがあった。と言うのも、iPad2を購入したことにより不要になった初代iPadを、中学1年生の娘が欲しいというので渡したところ、最近ではテレビを全く見ることなく、iPadばかり触っているのである。渡したこちらとしては、どうせ大して使うこともなくすぐに戻ってくるだろうくらいにしか思っていなかったので、娘のiPadヘビーユーザ振りが意外でしかたがなかった。

娘のiPadヘビーユーザ振りを目の当たりにしていたこともあって、今回の調査結果にはうなづけるものがあったというわけだ。子供が魅力的に感じるモノに、国の違いは関係がないということなのかもしれない。では、タブレットは子供にとってだけ魅力的な製品なのだろうか。いや、決してそんなことはない。タブレットが、大人にとっても十分魅力溢れる製品であることは、いろいろな調査レポートを見れば明らかである。

そこで今回は、タブレットに関する調査報告を参考に、タブレットのビジネス利用に関して考えてみたい。結論は、タブレットはオフィスのセカンドデバイスとして普及する、なのだが、その根拠となるデータを以下に紹介したい。


【1】 2014年にはインタネットユーザの3人に1人がタブレットを利用。iPadのシェアは68.0%

11月21日にeMarketerが発表したタブレットユーザに関する調査レポートによれば、今後もタブレットユーザは順調に増え続け、2014年には米国のインターネットユーザの3人に1人がタブレットを利用するとのことだ。

① 2011年時点のタブレットユーザ数は3千4百万人

2011年12月末時点でのタブレットユーザ数は、前年度の1千3百万人から158.6%アップして、約3千4百万人になるという。これは、米国の総人口の10.8%、インターネットユーザの14.5%にあたる。よって、2010年から2011年にかけては、かなりの勢いでユーザ数が拡大してきたことがわかる。

② 2014年のタブレットユーザ数は9千万人

タブレットのユーザ数は、その後2014年まで、成長率は62.8%、37.9%、18.3%と年々勢いを失うが、総人口に対する割合は17.3%、23.7%、27.7%、インターネットユーザに対する割合は22.9%、30.9%、35.6%となり、2014年時点のタブレットユーザ数は9千万人に達するということだ。

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③ 2011年時点のiPadユーザは2千8百万人

2011年12月末時点でのiPadユーザ数は、前年度の1千11百万人から143.9%アップして、約2千8百万人になるという。これは、タブレットユーザ数の83.0%にあたり、前年度の88.0%からわずか5ポイントしかシェアを落としていないことを意味している。アンドロイドOS系のタブレットが多数登場したものの、タブレット市場においてiPadは依然高いシェア維持しているということがわかる。

④ 2014年のiPadユーザ数は6千万人で、タブレットユーザ数の68.0%

iPadのユーザ数も、その後の成長率は49.8%、28.5%、12.9%と、タブレット同様勢いは失っていく。ここで注目したいのは、タブレット全ユーザに対するiPadユーザ数のシェア率だ。2010年の88.0%から20ポイント落として、2014年は68.0%になるという予測が出ている。この68.0%という数字を、多いと見るか少ないと見るかは評価の分かれるところだろう。私個人としては、50%を超えていることから多いと感じている。

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eMarketerが発表した調査結果を見る限り、タブレットは、ユーザベースではかなりのシェアを獲得することになる。インターネットユーザの3人に1人というのは、結構インパクトのある数字だと言っていいだろう。また、iPadのタブレットユーザに占めるシェアが、2014時点で68%もあるという結果にも少し驚かされた。1位の座は当然としても、正直50%くらいまで下がるのではないかと予想していたからだ。

では、インターネットユーザの3人に1人は、タブレットをどんな目的で利用するだろうか。iPadは、家庭のリビングにおけるメインPCとして使われるだけで、ビジネスで活用されることはないのだろうか。次は、タブレット(特にiPad)のビジネス分野における利用動向について見てみたい。


【2】 iPadはオフィス内のPCを補完するセカンドデバイスとして普及する

初代からiPadを仕事で使い続けているユーザとして言わせてもらえば、iPadは、オフィス内のメインPCを補完するセカンドデバイスとして非常に重宝する。但しここで重要なことは、あくまでもメインPCを補完するためのものであって、メインPCの代替機にはならないということだ。

iPadは、スプレッドシートで複雑なマクロを駆使した統計資料や、デザイン性溢れるプレゼンテーション資料を作成するのには向かない。また、画像を加工したり、ビデオ編集したりといった作業にも向かない。全般的に、キーボードを使った入力作業が多い使い方には向かないと考えた方がいいだろう。

では、ビジネスに全く使えないのかと言うと、決してそんなことはない。iPadの方がPCよりも向いている作業がたくさんある。まず、スプレッドシートで作成した統計資料や、キーノートで作成した提案資料などを閲覧したり、他人に見せたりする作業に向いている。また、ビデオを視聴したり、ビデオを使ったプレゼンテーションにも向いている。他にも、ドキュメントを読んだり、メールをチェックしたり、ソーシャルメディアを利用する時などもiPadは向いている。

また、ビジネスを効率的に進めるために役に立つ、膨大なアプリの存在も忘れてはいけない。この非常に有益なアプリを利用するだけでも、iPadをビジネスで活用する価値があるというものだ。

つまり、iPadの方が効率的に行える作業がたくさんオフィスには存在しているわけで、その作業をこなす目的のためにだけiPadを導入しても十分お釣りがくるくらいである。間違っても、メインPCの代替機として導入してはいけない。よく、iPadを導入したものの、いま一つビジネスで活用できていないという声を耳にするが、使い方を間違っているケースがほとんどだ。繰り返すが、iPadはメインPCを補完するセカンドデバイスとして利用しよう。

① 企業の26%がタブレットをビジネスで活用しようと考えている

では、実際にどれくらいの企業が、タブレットをビジネスで利用しようと考えているのだろうか。下の図は、米国のフォレスター・リサーチがIT部門の責任者2,300人にリサーチした結果をまとめたものである。この結果を見ると、約26%の企業が、タブレットのビジネス利用を検討していることがわかる。

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② 企業の62%がiPadが仕事の役に立つと考えている

次に、企業がiPadをどう評価しているのか見てみたい。下の図は、コンサルティングファームのシトリックスがIT部門を対象に行った調査結果をまとめたものである。62%のIT部門の担当者が、仕事のためにiPadを購入するべきだと回答している。また、会社がiPadを購入するべきだと回答しているのは、全体の43%となっている。この数字を見る限り、企業のIT部門の担当者はiPadに対して好意的な印象を持っているということがわかる。

次の調査結果も面白い。何と、iPadで会社のデータにアクセスさせるべきだと回答しているIT部門の担当者が、72%もいるのである。iPadに対する期待の大きさを物語る結果だと言っていいだろう。

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③ タブレットの出荷台数は、2015年に1億4千5百万台

eMarketerが発表した調査結果は、タブレットユーザ数の推移だった。GigaOMが、タブレット本体の出荷数の予測を発表しているので、こちらの調査結果も参考にしておきたい。GigaOMによれば、2010年に1千6百万台だった出荷台数は、2011年12月末時点で5千万台となり、その後も順調に市場は拡大し、2015年には1億4千5百万台になるとのことだ。

先に紹介したeMarketerが発表した数字よりもかなり上回っているが、これはユーザ数と端末出荷台数の違いがかなり反映されていると考えた方がいいだろう。例えば、1人のユーザが複数のタブレットを所有することが考えられるため、出荷台数がユーザ数を上回ることは、ある意味自然なことだと考えられるからだ。

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【3】 今回のまとめ

最近のタブレットとiPadに関する調査レポートを見ていると、タブレット市場がまだまだ成長の可能性を秘めた市場であるということがよくわかる。主婦や子供は、タブレットを部屋のリビングでショッピング、ビデオ視聴、ゲームなどの目的で使い、ビジネスマンは、職場でメインPCを補完するためのセカンドデバイスとして使うというのが一般化しそうである。

来年早々にはiPad3の発売も噂されており、タブレット市場を牽引して行くのが、まだしばらくの間はiPadであることも間違いなそうである。私が個人的に期待しているのは、価格の値下がり。もう少し価格が下がれば、1人でタブレットを2、3台所有するということも不可能ではなくなる。ビジネスユースの市場拡大のためにも、購買意欲がもっと湧いてくる価格設定を期待したい。

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