「ITで日本を元気に!」311宮城・福島にて(4) 心痛の福島
「ITで日本を元気に!」チームで3.11に宮城・福島に足を運んだ。初回の「石巻」、二回目の「集まり・供養」、三回目の「進まない復旧」に続き、最後の四回目は福島について。
宮城の南から相馬市、南相馬市、相馬郡飯舘村から福島駅にかけてまわりました。ごいっしょの福島の方から、色々とうかがいましたが、宮城の被災とは全く異なるものであり、起きていること困っていることも違います。
夕方、明かりがついている民家が少ないのです。場所によって大きな差がありますが、飯舘村では店もなにもまっくらな光景が続きます。宮城の津波で流された地域とは違い、建物はそのままだが、人がいない。福島駅に向かうと、次第に明かりが灯されたところが増えてきます。
直観的には放射線による直接被害よりも、特にいまはストレス等が大きいのではと思うほど、心労とその影響を案じてしまう。避難し、土地や職場を離れての心労は他の被災地も同様ですが、コミュニティがちりじりバラバラとなっている度合いは、他の地域を上回ります。これに加え、分からないゆえの不安、何を信じていいかという不信、心配するとキリがないストレス。同じ町村に戻る・戻らないで割れていがみあったり、夫婦で意見がズレて喧嘩したり。また、飲み水を購入しなければならず、不便で困っているとか。もちろん、なぜSPEEDIのデータを隠したのかといううらみもあるでしょう。子供たちも不安に思っています。その声は次の動画(3月1日に英BBCが放送した約1時間のドキュメンタリー「津波の子どもたち(Children of the Tsunami)」の一部)でも伝えられている。
YouTube: 日本語字幕付「放射能の子供たち」/"Children of Radiation" (partially English-subbed)
もう一つ南相馬の20km境界
検問のそばにはセブンイレブンやそば屋、そしてこんな看板が。相馬野馬追は、昨年は11月に開催された。
相馬・南相馬の立ち入り禁止の境界線では大した放射線ではなかった(他の都道府県並み)のですが、立ち入りができる飯舘村では1マイクロSv/h以上や2以上の数値が出た(byエアカウンターS)。
昨年春にニュースなどで騒がれた学校での放射線の限度量(被ばく基準)が3.8マイクロSv/hでした。それと50歩100歩の値。
2マイクロSv/hだと年17.5ミリシーベルトの計算になる。平均的な米国民の年間被ばく線量は環境保護局(EPA)によると自然放射線と人工放射線合わせて推定3ミリシーベルト。大気中の計測値と、被ばく量とは別の数字なので、そのまま比べられないが、一応記した。
科学的にはよく分かっていないので、その点を理解されたい。参考記事:福島原発事故、被ばく量はチェルノブイリに比べ少ないが・・・ - WSJ日本版
参考データ:国・自治体による高さ1m・0.5m計測を中心とした放射線量マップ(基本的に2011年9月末までの測定)
他の原発は各地の名をつけているが、福島原発はなぜか「福島」ブランドをまとっている。これが、日本全国でも世界にも広く「福島」が原発事故を象徴することとなった。世界は驚くほど福島を注視している。なおのこと福島がどうなるかは、「日本」の問題である。
八王子ナンバーでこんな福島応援ステッカーのクルマも(福島市内で)。
福島駅の岩瀬書店にて…福島関連本コーナー。
「ITで日本を元気に!」は、3月11日に石巻→東松島→七ヶ浜→仙台→空港付近→亘理/山元→相馬→南相馬→福島をまわりましたが、南三陸や石巻中心だった活動のエリアを今後広げる予定。他の組織・活動との連携もさらに進めて、これに当たりたいところです。賛同される方、ご興味ある方、支援しようという方は、どうぞご連絡下さい。
「ITで日本を元気に!」実行委員会事務局@トライポッドワークス株式会社
TEL: 022-227-5680 FAX: 022-227-5685 E-Mail: info-japan[at]revival-tohoku.jp
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