僕の所属するケンブリッジという会社が働きがいのある会社ランキング中規模部門2位に選ばれた!
去年は小規模部門で2位だったので、2年連続の2位だ。国内400社近くがエントリーするなか、これは結構すごいことでは・・・。
それもあって今回は「働きがい」について書いてみる。
このエントリーでは「仕事の内容」について、次回は「評価」について書く。
前職から労働環境は悪くなっている・・・。しかし、働きがいは・・・
僕は8年前に大手建築会社からケンブリッジに転職した。
知らぬ人はいない一流の大企業から、誰も知らない小企業への転職。
前職は業界Topの企業。安定性抜群、多角化経営で新しいことにも次々に手を出し成功している。企業年金も退職金もがっぽり。その上残業はほぼ無しで毎日定時帰り。当然会社の知名度も抜群。そんな状態から・・・
退職金無し、企業年金なし、みなし残業の年俸制、遥かに長くなった労働時間、土日に食い込む仕事、ほぼ無名の会社・・・という状態へ。
労働時間、福利厚生、知名度、よくある視点で見てみると、ケンブリッジに転職して全てが悪化している。データだけを見ると相当なブラック企業に移ったように見えるし、普通に考えると僕は転職したこと後悔しているハズだ・・・
しかし実際は転職して仕事をするのがめちゃ楽しくなった。めちゃ働きがいがあるし、転職してよかったと本当に思っている。(誤解されないように書くが、前職もとてもいい会社だった)
福利厚生でも労働時間でも知名度でもないとすると、一体何が「働きがい」を生み出しているのだろうか?
僕の主観で分析してみた。いくつか大きな要素が思い浮かぶ。
1、目の前のお客さんが喜んでくれること
世の中のお仕事の多くは、目の前にお客さんがいない。プログラミングも、事務仕事も、生産管理も、物流仕事も、品質管理も、構造設計も、研究開発も、経営企画もどれもこれも目の前にお客さんはいない。前職もそうだった。来る日も来る日もパソコンと向き合い社内を向いて仕事をしていた。
前職の社員のうち、顧客の前に出て直接コミュニケーションするのは全従業員の1割くらいだったろうか。
一方、ケンブリッジのコンサルタントは100%お客さんと直接接する。しかもお客さんと机を並べて仕事をするから、一日中一緒にいることになる。そんな人達から、
「ケンブリッジと仕事をしてよかった!」「会社人生でケンブリッジと仕事した3か月が最も楽しかった」「会社が変わった」「ありがとう!」なんて面と向かって言われると、心が熱くなる。
僕らのお客さんは会社を代表するエース級人材であることも多いわけで、彼らをうならせるのはすごく大変なのだけど。だからこそ喜んでもらえる瞬間は最高だ。
「何かに貢献したい」というのは人間の生物としての本能だと思う。
あの人のためにいい仕事したい。あの会社のためにいい結果を残したい。こういう感覚が、ダイレクトに実現できる仕事環境なのである。これは本当に大きい。
僕は仕事を変えることで「何かに貢献してる感」を手に入れたが、何も仕事を変えなくても工夫できることもあるだろう。例えば、プログラマーならシステム利用者の満足度を定期的にヒアリングしてみるなど、自分にとっての顧客を設定し、自分の仕事がどうだったのか率直なフィードバックをもらうことでも同様の効果があるかもしれない。
2.仕事のマインドが「ミス削減・効率化」から「価値」に変わったこと
顧客と直接接するようになって、「与えられた仕事をミスなく効率よくやる」マインドから、「目の前の顧客に、より高い価値を提供したい」マインドに。
よくレンガ積みの話が引き合いに出されるがあれと全く同じだ。
「あなたは何をしてるんですか?」
1人目の職人はこう答えた。「レンガを積んでるんだよ。後2時間積んだら今日はおしまい。はやく終わらないかな」
「あなたは何をしてるんですか?」
2人目の職人は「壁を作ってるんだよ。後200m作ったら終わりさ。どうやって効率よく作ろうかな?」と。
「あなたは何をしてるんですか?」
3人目の職人は「寺院を作ってるんだよ。僕らが作った寺院に、人々が笑顔で集うようになったら完成かな。どうしたらみんな喜んでくれるかな?」
という感じだ。よくある例だが絶対に3人目のマインドが一番働きがいがあると思うのだ。お客さんの顔をずーっと見続けるケンブリッジの仕事環境だと、圧倒的に3人目のマインドを醸成しやすくなる。
ただ、こういうマインドになると、自然と長い間働いてしまう。自分の時間を切り売りして給料をもらうわけではなく、より良いものを提供することで給料をもらうのだと考えるようになるからだ。一概にどちらが良いとは言えないが、僕にとっては3人目のマインドが性に合っていた。
3、強みで戦えること
ケンブリッジでは「強みで戦う」「個を最大限に活かす」という考え方が根付いている。
自分の得意なことを最大限に活かせるのである。苦手なことはフォローしてもらい、得意なことで貢献する。以前にもこのブログで書いたが、僕は誤字脱字のチェックなどは苦手だ。そのぶん作業スピードがかなり早い。だから、スピードは遅いけどその分精度の高い人と組んで仕事をすると相乗効果が生まれる。1人では到達できなかったところに、強みを持ち寄れば到達できる。
これがなんだかすごく心地いい。
チームで成し遂げる一体感。強みでしっかり貢献できた満足感。1人では到底到達できないことが実現できる達成感。これは一度味わうと病みつきなる。
強みで戦うにはチーム戦でないと難しい。前職では基本的に個人戦だった。1人で仕事して1人で評価される。これではどうしても弱みを自分で補完する必要がでてくる。
今は何をやるにも必ずチームだ。チームで仕事をするのが習慣になってしまったから、1人で仕事していても、周りの人を勝手に巻き込んでチーム戦にしてしまう。周りの力を引き出して一緒やった方が良いものができるし、何より楽しい。
4、心理的安全が確保されていること
すべての土台になっているのがこれだ。「何を言っても大丈夫」「しっかり受け止めてくれる」「真剣に話を聞いてくれる」という安心感がケンブリッジにはある。
その証拠に、新入社員だろうが入社1ヶ月の中途社員だろうが好きなことを言う。
僕が担当しているチームのひとつは、入社1年目の新人とこの道10年のベテランPMがチームを組んでいるが、新人が「今の話、あんまり理解できないですが」「こっちの方が良くないですか?」とストレートに発言している。
たまには間違ってることも、え?と思うこともあるけど、PMは「確かにそう言う視点もあるな。ありがとう」と言ってまっすぐ受け止めている。
時には新人の発言をキッカケに重要な示唆がもたらされる。
自由に発言でき、それが否定されない環境は、そこで働く人間を活性化させる。
言動に気を使わなくていいから、本質的なことに気を向けられる。だから、成果にも貢献しやすい。
「自分の働きがいの源泉」は何かが分かれば、工夫はいくらでもできる
仕事の内容そのものについて4点ほど書いてきたが、僕にとってこの変化はすごく大きかった。
この4つに気付いてからは何をおいてもこれを大事にしようと思っている。4つの環境がキープできるように工夫している。
僕は転職して「働きがいとは何か」に気付いたけど、何も転職しなくても働きがいを高める工夫はいくらでもできるはずだ。
あなたにとって働きがいとは何なのか?人によって違うだろうけど、先に挙げた4つが少しでも働きがいを考えるヒントになればいいのだが。
今回は「仕事の内容」について書いたが、「評価」も前職から大きく変わったことの1つだ。
公正でオープンな評価。これが僕の働きがいの1つの源泉になってることは間違いない。次回はこれについて書きたい。
榊巻 亮
2017/02/20 07:20:26