ケンブリッジ語録#17 上司の「使い方」を考えろ
僕が勤めるコンサルティング会社、ケンブリッジには、厳しいプロジェクトの現場で生まれてきた「語録」がある。今回はこれ。
上司の「使い方」を考えろ
「社長だって、CP(クライアントパートナー:プロジェクトの総責任者)だって、PM(プロジェクトマネージャー:現場の責任者)だって、1つのリソースに過ぎない。どう使うか、どこで使うか、担当であるオマエがキチンと考えろ」と昔、師匠によく言われた。
大きなプロジェクトの中で、担当者は一部のタスク遂行に責任を負っている。
そんな風に小さいながらも明確に任された仕事を持っていると「自分一人の力でやり切らなければならない!」と考えてしまいがちだが、ケンブリッジの考え方は違う。
目的を達成するために、任されたタスクを遂行するために、手段は選ばない。
どんな手を使ったっていい。
あらゆるリソースを総動員して掛からないと上手くいかないし、品質も上がらないだろう。
自分1人でやり切ることなど求められていない。むしろ自分一人でタスクをやりきろうなんて笑止千万。思い上がりも甚だしい。そんな生ぬるいタスクはケンブリッジにはない。
繰り返すが、大切なことは、どんな手を使ってでもタスクをやり切ること。
意地でも1人でタスクをやり切ろうとするのはそいつのエゴでしかない。生産性高く、高いバリューが出せるように、最も高いクオリティが出せるように、自分以外のリソースをどう使うか考えまくる必要がある。指示待ちの対局に位置する考え方だと思う。上司からの指示を待つのではなく、どう使うのか考える。上司にこちらから指示を出すのだ。「xxさん、このタイミングで相談に行きますんで、xxの知見からアドバイスくださいね」という感じだ。真にオーナーシップを持っていれば自然とこういう動きになるはずだ。
チームリーダーやPMの絶対条件でもある。このマインドがないと怖くて仕事を任せらない。
「責任感」という美名に駆られて1人で仕事を抱え、気が付いたら「やっぱり出来ませんでした。自分としては全力を尽くして努力したんですけど・・・」なんて言われてはたまらない。
健気な努力など求めていない。必要なのは求められる品質でタスクを実行することだ。
そのために必要になるのは以下の2点。
①タスク達成のために足りない部分を自覚して
②自分以外のリソースで不足分を埋めるアクションが取れること
①が出来ても、②ができないと「やれるかどうかわからないですが、死ぬまで頑張ります!」になる。
誰も幸せにならない。でも①ができないと何も始まらない。
チームとして価値を最大にするために全員が「手段を選ばない」で動いて欲しい。
コンサルタントAさんのコメント
ケンブリッジに入ってしばらくはこの感覚に慣れなくて苦労しました。
前職において上司は「監視する人」であり「評価する人」でした。
一緒に成果を上げるチームメンバーという考え方はなかったんだと思います。
普通の会社で「部長をどう使ったらこの仕事上手くやれるかなー」なんて会話あり得ないですからね。
今考えると「責任感」を履き違えていたのだと思います。1人でやり切ることが責任だ。他人に迷惑は掛けられない。という思考です...。"責任感という美名"に駆られていたのかも...。
自分以外のリソースをフル活用して成果を出す、そのためには上司だろうがなんだろうが積極的に使う!というのが本当の責任感なんだと思います。そういう意味ですごく大事な語録ですよね。