「人材育成目標」をつくる前に知っておきたい「成果」につながる重要な考え方
素晴らしい人材育成ビジョン、目標、研修体系があるにも関わらず「成果が出ない」と嘆いている組織がある一方、特別な人材育成をしているようには見えなくても、ある一定以上の成果を着実に上げている組織があります。その違いは一体なんでしょうか?今日はその違いをお伝えします。
急激な需要の伸びからビジネスが拡大している組織、或いは、トップの営業力が極めて高く、とにかく次から次へと仕事が舞い込んでくる組織、このような組織を除いて、今の日本の組織の多くは、社員がある一定以上の努力をしなければ成果が出ません。或いは、努力しても努力しても成果が出ないということもあるでしょう。
しかし多くの組織が厳しい状況の中、ある一定以上の成果を着実に上げている組織があります。そのような組織をよくよく観察していると、日常的なコミュニケーションに違いが見えます。それは、ビジネスを進める上での基礎がしっかりできているのです。
ビジネスを進める上での基礎というのは、新入社員研修を導入している組織であれば、知らない人はいないと言える内容のものです。しかし、そこに違いが生まれています。その違いを、成果を上げている組織と、成果を上げていない組織の、営業部門のリーダーの指導場面を元にご紹介します。
成果を上げているリーダーの指導
部下:それではこれからA社に行ってきます
リーダー:今日は何しに行くの?
部下:先日ご案内した資料のご感想をうかがってきます
リーダー:それって電話で済まないの?
部下:いえ、他のご担当者様もご紹介いただく予定になっています
成果が上がっていないリーダーの指導
部下:じゃぁ、行ってきます
リーダー:行き先、書いてあるか?
部下:あっ、書いていきます
リーダー:ちゃんと書いて行けよ。気を付けてな
(夕方)
リーダー:今日の訪問どうだった?
部下:あぁ、まぁいつも通りな感じで。特に進展はなさそうですね。もう少し時間がかかりそうです
リーダー:なんか俺に協力できることはあるか?ちゃんと言って来いよ
部下:はい、ありがとうございます。その時はよろしくお願いします
いかがでしょうか?
成果が上がっているリーダーは、常に「目的」を意識し、部下にも意識させています。その一方で、成果が上がっていないリーダーは、コミュニケーションは取っていますが、内容のあるコミュニケーションになっていません。仕事の目的がまるで伝わってきません。
そこで大事なのが、新入社員研修で教えている「ビジネスでは目的を意識すること」というような基本的な考え方です。おそらくこの考え方を「知らない」という人はいないでしょう。しかし「普段意識できていますか?」と言われるとドキっとしませんか?
「人材育成目標」をつくる上では、このような基礎的なことが日常的に「できているかどうか」という視点で確認することが非常に重要です。そこで次回は、チェックしていただきやすいように「仕事に必要な能力の図解」をご紹介します。
本ブログは、職場で20代(若手)を育てたい方のために、どなたでも、5分で出来る人材育成のヒントをご紹介しています。