「英語の公用語化」対策は人事労務問題か自己啓発か? : 実践エリアマーケティング
先ごろ上梓した拙著の話ですが、本屋さんでどんな棚に置かれているかを見てきたり出版社さんと会話した結果、面白いことが判明しました。
- 渋谷の大手書店では、語学コーナーか人事労務におかれていることが多く、自己啓発とか仕事術、ビジネス書に置かれていることがあまりない。
- 一方、新宿や丸の内などオフィス街では、ビジネス書に置かれていることが多く、売り上げの数字も出始めているらしい。
そこで、複数の書店(しかも大手チェーン)の店長さんら目利きの方々が渋谷だけ全員おかしくなっているとも思えないので、渋谷の特殊性について考えてみることにした。
そもそも、TwitterやFacebook活用法、iPhone/iPadやAndroid活用法などの書籍についても、「パソコンコーナー」で「操作マニュアル」の棚に置かれている間は売れ行きもイマイチで、ビジネス書のコーナーに置かれるようでないとブームにはならないだろう。
ということで、書いた本人としては、「20-40歳くらいのサラリーマン向け、自己啓発・意識改革」のつもりで書いていたし、前書きにも「英語学習本ではなく、カルチャーギャップを埋めるためのノウハウ集」と謳っているので、語学本のところに置かれているのも、「なんだかなあ」と第一印象では感じてしまった次第である。
で、本屋に行ってもなかなか著書が見つからないので、検索コーナーで探してみると、なんと「人事労務管理」の棚にあるという予想外の分類のされ方であった。
「人事労務管理で【問題社員管理】の棚に置かれでもしていたら、著者としては洒落にならんなあ」などと思いながら、渋谷の特殊性として改めて店頭を見てみると、渋谷のこの大手書店では、コーチングなど社員教育に関する書籍の多くも人事労務管理のコーナーに置かれている。
ここからは仮説であるが、
- 若者の街・渋谷としては、まだまだ自己啓発を自分の問題として、自分で考えられるレベルに至っていない年齢層が多い。
- 学生さんや社会人経験の乏しい年齢層では、グローバル化=英語と、まずはストレートに発想する潜在顧客のほうが多い
- 30歳以上の年齢層で渋谷の大型書店来訪者となると、ベンチャー企業の経営者層なども含めて経営側、管理職側が多い
- 本人は相変わらず内向き思考だが、会社側がグローバル化を推進したい。ビジネス街では社員個人もその傾向を察知して動きはじめているが、渋谷という街ではそんなサラリーマン層が少ない。
などと、渋谷の書店の担当者さんたちは考えられたような気がする。
確かに、OBとして参加したMBAの説明会でも、企業の人事部の方が出席されており、「本当に仕事と両立できるのか?」などと質問を受けることが多くなってきている。
こんな事情ですので、もしも、拙著を店頭で手にとって見てみたいと思われる方は、ビジネス書(自己啓発や仕事術)、英語コーナー、人事労務の3箇所を見て回っていただけると幸いです。
書店のどのコーナーに置いてあるかによって、逆にその地域のビジネスマン層がイメージできるかも知れません。