本ブログの内容が出版されます
今回はちょっと宣伝&回顧録です。本ブログを始めてまだ1年足らずなのですが、企業内での英語公用語化ブームなどを背景に出版社さんからお声がけ頂き、このたび上梓の運びとなりました。店頭販売は2/2からの予定
本の内容はブログからの抜粋が中心ですが、途中からは本の内容として先に書いていたものをブログに出すなど、シンクロした動きでした。
基本的なメッセージは
- 「英語の公用語化」というのは、決して表面的な英語だけの問題ではなく、外国人とうまくやっていくための背景にある文化的な違いを理解した上で克服することが重要。
- そのためには、まず自らアウェイに出て行くなど、「外を知り、グローバル・スタンダードを知る」という活動をすることが必要
- そんなノウハウとして、咄嗟の英会話から仕事術まで、個人として何ができるかを伝えたい。実体験の裏づけとして、外国人エンジニアを率いたプロマネ経験、留学体験記的な記述、外資系企業での仕事術などをまとめてみた
というものです。
やってみて実感した「書籍とブログの使い分け」ですが、ブログでは、「何故、今日はこのTopic?」という枕の話が、結構、気になります。朝の情報番組におけるOpeningトークみたいなものですね。
一方、書籍として書くとなると、「旬の話題であること」よりも「全体のつながりやコンテンツとしての寿命、信念の骨太さ」の方が気になります。
その結果、シンクロして一石二鳥を狙ったはずが、1.5~2倍の労力になることもしばしば。仕事術関係の話は、まだブログネタとしてはスタンバイ中のものも含まれています。
出来栄えとして見ると
- 本ブログでやりかったこと、言いたかったことのつながりや全体像、世界観を理解をしてもらうには書籍
- 個別Topicでのこぼれ話や、Deepな分析など、書籍に入りきらなかった話はブログで
という読み分けをしてもらえると、著者としては幸いです。
ちなみに、本格的な執筆はほぼ10年振りで、通算5冊目(共著3冊、最初の2冊はペンネームで)。一人で1冊書くのは20年ぶり。
「過去の執筆履歴」
新ワープロ通信入門 (1988年) :
- ニフティの誕生などパソコン通信の黎明期。当時はパソコンよりも主流であったワープロ専用機を使って、オタクの遊びの道具のように思われていたパソコン通信を、今で言うDropboxとか異機種間のテキストデータコンバージョンツールとして仕事に使おうという話
How To DynaBook 誰にでも楽しめる知的パソコンライフ (1989年) :
- ノートパソコンの黎明期。いよいよ1人1台のPC時代到来を迎え、個人の生産性をPCで高める方法(残念ながら、まだスタンドアロン利用)。そもそもDynabookというのはMITメディア・ラボのアラン・ケイが打ち出したコンセプトであり、それを東芝さんが製品名につけて、「20万円を切る画期的なノートパソコンの登場により、一気にキャズム越えが起こった」というのが当時の状況
- ダウンサイジング旋風が吹き荒れ、メインフレーム系システムからクライアント・サーバー型にオープン化するブーム到来。コンピュータの内部構造やネットワーク論を組織論と対比させ、両方を同時に理解するとともに、経営におけるITの重要性を自分なりに腹落ちさせるための本
この後、コンサルティング会社へ転職。さらに、Windows95とインターネットブームの到来を受けて、IT企業へ。
- 経営書として、野中郁次郎&竹内弘高 共著の「知識創造企業」からナレッジ・マネジメントが一時的なブームになる。当時所属していた、Lotus Development Japan (日本ではまだIBMとは別会社として運営)において、Lotus Notes/Dominoがナレッジ・マネジメントのツールである証を残したいという思いで、フリーライターの方とお客様事例などを中心に書き上げる。
途中からは民間人となり、物書きやプレゼンが半ば本業となったが故に、かえって組織人として出版活動がやりにくくなったようなところもあり、大幅にペースダウン。
特に、近年は、「テクノロジーご紹介」の執筆を行う人が増えてきたこともあり、「自分でなければできないテーマ探し」のため執筆活動はほぼ休眠。
結果的に振り返ると、テクノロジーと社会の転換点に差し掛かり、自分自身の頭の整理と人生の岐路を考える作業として、出版を行っているような気がします。
そもそも、このブログをはじめたキッカケが、個人としての留学経験、マクロ経済分析、国家成長戦略などを見るにつけ、「個人にとってのグローバル化を推進すべし」という思いでした。
その数ヵ月後に、「楽天、ユニクロによる英語公用語化宣言が出てきた」という象徴的な出来事もあり、「新たなグローバル化」と言う着眼点が間違っていなかったと言う思いが強くなり、個人として何かできることをやりたいと考えた結果、出版にも踏み切る決心をしました。
本書籍が、何らかの形で皆さんのお役に立てれば幸いです。