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日本や日本人って何だろう。改めて「海外」を考えるヒントを身近な話題から

スマートシティ世界会議のレポートを読んで、マーケティングの重要性を知る。

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もう1ヶ月近く前の話になるが、標記のセミナーに出席したところ、講義録のダウンロードがようやく可能になったので読み返している。

時間がかかった理由の一つは、翻訳のためであろう。

当日の同時通訳も、日本語、英語、中国語、韓国語というブースが4つも並び、何人もの同時通訳者がアサインされていた。
最低でも10万円という高額なセミナーであったが、このメンバーの顔ぶれと同時通訳に関する費用を勘案すれば「致し方なし」と納得せざるを得ないものであった。

この種の国際会議では、やはり英語の優位性を感じる。
「中国語と日本語、韓国語と日本語の同時通訳で且つある程度の技術用語がわかる」という名通訳に当たることは少なく、韓国や中国のプレゼンテーションでは同時通訳用のレシーバーを日本語から英語に切り替えて聞いていた。

内容的には、「日本の技術が世界に認識されていない」という話が気になった。
例えば、代替エネルギーに関する特許について、日本の特許は全体の55%を超えるらしいにも関わらず、「環境技術に関する先進的イメージのある国」という調査においては、日本の順位は10位以内に入ってくることはなく、認知度は低い。

認知度をあげるために、戦略的な特許訴訟ぐらい考えてはどうか?という物騒なアイデアも沸いてきたぐらいだ。

各都市のプロジェクト内容では、個人的に最も興味を引いたのがアムステルダム市の事例である。

弊社がお手伝いしている海外事例ということもあるのだが、他の多くのケースが「更地に新しい街を作る」というやりやすい話である一方、このアムステルダム市のケースは、既存の都市機能を維持しながらスマートシティへ移行していくプロジェクトであるからだ。

日本でも、他国のインフラ大開発計画に参入するだけでなく、国内で同様の「再開発型プロジェクト」が立ち上げられないか?とも考える。

どのプロジェクトでもほぼ共通で参考になったのが、この種の国家的プロジェクト推進におけるマーケティングの重要性である。

ポイントは以下の2つ

  • 1) スマート・メーターのような末端の機器を各家庭にばら撒くためのモニター募集や、実際に使ってもらうための啓蒙活動
  • 2) セグメンテーションとモデリング、コンジョイント分析などにより、サンプリングした結果を世の中全体に拡張・展開した結果を推計する能力

1)については問題ないと思うが、2)について少し解説しよう。
例えば、日本でも「大阪人は東京人よりセッカチだから、横断歩道の信号機の切り替え時間が短い」という説がある。

これが事実だとすると、例えば交通渋滞緩和のための信号制御において、「東京と大阪では微妙にロジック、パラメータの修正が必要」という話になってくる。

毎月の電気代が100円値引きされると消費者がどう動くか? 300円ではどうか?真夏の電力需要ピーク時に、エアコンの温度を下げてもらうには、見える化によって、どのタイミングでどんな情報を消費者に知らされると消費者は実際に動くか? このようなユーザー特性によって、スマートグリッドの経済性は著しく変化する。日本では経済性が成り立たない技術が海外で普及したり、その逆もありえる。そこを識別できるのはマーケッターの力量であろう。

エンジニアはコスト側の試算はできるが、収益側の試算はマーケッターやコンサルタントの仕事。

日本の「高速道路無料化に関する社会実験」では、どのようなデータ収集、調査・分析が行われているのだろうか?
興味津々である。

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