CEO Study Japan Report に見られる日本企業の独自性
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去る8/10に、IBMが全世界で2年おきに行っている「CEO Study」の日本版集計・分析が発表された。
この調査は、IBMのコンサルティング部門が実際に対面インタビューを行って調査したものの集計であり、単純なアンケート調査集計などとは異なる点で興味深いものである。
今回の調査・分析の特徴は、「リーマンショック前後」で線を引き、ショック後でも前以上に利益回復を果たしている企業を「花形企業」として抽出しているところである。
花形企業の定義
その結果によると、日本企業においては、今改めて、「グローバリゼーション人材、リーダーシップ」の必要性が強調されている。おそらく欧米企業からみれば、「今更globalization?」という感じなのだろうが。。
と同時に、日本だけでなく、韓国、中国も同じレベルにあったので、ちょっと安心させられた。
どうやら、この傾向は、「非英語圏のアジア先進国」ということで共通のようだ。
一方、欧米企業においては、「将来の予測が複雑で困難」と考えている割合が高いようである。
この点については様々な解釈があると思うが、私の想像は
- 欧米企業はリーマン後のギリシャ問題などを含め、日本・アジア企業以上に「潜在的な火種」に敏感になっているのではないか?
- 日本・アジア企業は、新興国市場開拓に一目散で、成熟した欧米市場のリスクはあまり見ていないのでは?
- 結局、どこの国も、自国周辺の出来事に意識のバイアスがかかるのはやむを得ないのだろう。
というものである。
そういう意味では、リスク管理だとか予測手法に関する新しい経営論のようなものは、やはり欧米企業から出てくるのではないか?という気がする。
オバマ大統領の金融規制改革法案に対する署名のように、リスクコントロールに欧米企業・政府が関心が高いのも、この辺の現れではないだろうか。
なお、CEO studyのレポートダウンロードはこちら。
ご興味のある方は、日本版・グローバル版ともに日本語訳で入手できますので、ご参考まで。
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