「ウチの営業って、サッカー日本代表に似てないか?」
これは、お客様訪問の帰りに立ち寄ったカフェで耳にした、「同業者と思われる営業マンの会話」です。
もしも自社の社員かと思うと笑うに笑えないボヤキだけれど、やっぱり笑ってしまったので、ここにちょっとご紹介。
サッカーに興味ない人には分からないかも知れませんが、ご容赦のほどを。
(注釈も入っているので、生の言葉ではありません)
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A: 最近、うちの会社の営業って、サッカー日本代表に似てるような気がするんだよな。
B: それって、自殺点多いってこと?A: そうそう。お客様からいい情報もらっているのに、案件が取れない。アイデアと中途半端な提案書だけ出して、同じアイデアでコンペに案件取られたり。。
コンペが絶妙な差別化ポイント出してきたのでお客様から問い合わせがきたんだけど、「迎え撃ってクリアできる競合情報に詳しい人」がいなくなってる。
「調べてみましたが、おっしゃるとおり、技術的にはその機能は弱いです」とか言っちゃてる。本当は、ここでカウンター打ち返して、責めに転じないといけないのに。
「確かに機能比較ではその部分は弱いですが、実際にその機能ってどのくらいの頻度で使いますか?」とか、「変わりにウチの強みはここです」とか言える人材が減ってきている。こういうのって「1対1の玉際に弱くなった」感じがする。でも、そもそもそんな弱点がばれて突っ込まれるような提案をコンペに出された時点で半分は負けだよな。
自殺点は、とどめを指した人物だけを責めてはいけないってことね。B: シュートを打たないで、横パスばっかりって言うのは?
A: あるある。完全な提案書を作ろうとして、社内で打ち合わせばっかりしてるパターンね。B: で、「たまにシュート打っても、ぜんぜんゴールの枠に入ってない」とか。
A: お客様の期待値の範囲に提案が入ってないってことね。売れと命令された会社の売りたい製品の話ばっかり「何件訪問したか?」とか、チェックされてる。
こんなので案件取れるのは、セットプレーやPKみたいな随意契約ぐらいかな。B: 目の前にゴールキーパーのようなアンチ派のデシジョン・メーカーがいるんだから、こういうときこそ、他のシンパの人を使ってサイドからえぐるとか、タイミングはずしてループシュートにするとか、工夫が必要。
A: 「コスト削減だけじゃダメ」って言われているのに、「ダメもとですから」とか言って、何も考えずに他の会社で出した提案書の雛形をほとんどそのまま正面に蹴っている。シュート打たないよりはマシかも知れないが、これじゃあ、「練習のためのシュート練習」みたいな話。もっと工夫しないと。B:ウチの部門では、ゴール前で絶妙なパスが来るのをひたすら待っているフォワードが山ほどいるけど、中盤でボールキープできないって感じ。
そんな、「ごっつあんゴールばっかり世の中にあるわけないだろう」って感じ。A:やっぱり日本人ではダメなのかな。過去を遡ると、ラモス(1994 ドーハの悲劇)、呂比須(1998 フランス)、三都主(2002日韓 2006ドイツ)、闘利王(2010 南ア)等、チームの中でも異質のnon-nativeな日本人がKeyPersonなんだよな。2002年と2006年は、中田英寿=ガイジンみたいなもんだろ。
でも、今回見ていると、闘利王の力も落ちたのかな。今年は、ガイジン的な存在として本田に期待してるんだけど。。B:ウチの会社で、non-nativeなガイジンっぽい奴って誰だろう。合併とか中途採用で入社してLeadership発揮している奴かな?
A:で、監督は見ているだけで自信喪失して打開策ナシでしょ。ウチの管理職も何やってんだか。。たまにある選手交代も当たっているのかどうか。。抜擢して、たまたま上手く育った若手はいいのだけどね。 もう、W杯後の代表監督が誰になるかの方が興味の中心。韓国とオーストラリアで上手くやられたオランダのヒディング監督って、日本に連れてこれないかな?
B:ウチのチームも、来年の監督(管理職)は誰だろうって言っている?でも、管理職を社外から採用するほど企業文化を買える度胸もないでしょ。数少ないポストをモチベーションにして組織をマネージしているんだから。その点では、「世界で戦うために外人監督が必要」と割り切っているサッカーの方がマシかもよ。
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「どうか、弊社の営業でありませんように」と祈りつつ。
でも、「人のフリみて我がフリ直せ」だな。
来週からサッカーW杯の日本戦も始まるが、出てくる選手を仲間の営業マンや自分自身に例えて見てしまいそうです。