2009年の世界携帯電話市場から感じたこと
先日、あるお客様で、「モバイルOS市場をどう見るか?」について説明する機会があった。
そこで、各調査会社から発表になったデータを付き合わせて見てみたが、我ながら面白い発見であった。
以下は、そのプレゼンで用いた簡単な分析である。
出所:
携帯関係 http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1306513
PC関係 http://www.idc.com/getdoc.jsp?sessionId=&containerId=prUS22161710
私にとっての発見は以下である。
- 携帯、PCともに、日本市場の比率は予想以上に低い。3-4%程度でしかない(寂しいなあ。昔はGDP比率で日本の存在感は10%程度と言っていたのに。。)
- スマートフォンの伸びが目覚しく、絶対数でPC市場の6割近くにまで迫りつつある規模となっていた。脱PCもここまで来ていたか。。
- スマートフォンを牽引しているのは、iPhone、BlackBerry、Android、Symbian。なんとWindows Mobileは、絶対数でも低下。
「日本の携帯電話市場のガラパゴス化」のようなことはいわれて久しいが、世界市場と国内にいる自分の現場感がここまで認識が異なるということを数字によって改めて認識した次第である。
まさに、ネット時代「御三家」の中でも、Google、Appleの羽振りがいい一方で、マイクロソフトの元気に?がつけられる状況を象徴していることが数字で裏付けられたように思う。
考えてみれば、ネット時代の中でApple、Googleの2社は、コンテンツ蓄積、アプリケーション提供を図り、最後にユーザーインタフェース制覇という観点から携帯電話に進出するという垂直統合モデルの結果である。気合の入れ方が他の事業者とはちょっと違うのであろう。しかも、PC側でも同様に、ユーザーの脱MS化を促進するべくブラウザの多様化を推進している。PCとの連携でスマートフォンを使うのではなく、最初からネット利用端末としてのスマートフォンがあるという発想に立っている。
この種のモバイルOSは、後発であるため当然ながら自社のネットサービスと密結合になった独自仕様が幾つも含まれてくるであろう。しかもコンシューマー育ちの事業者なので、「互換性?標準化?そんなの関係ない。売れたら勝ちよ」という発想で、怒涛の攻めを見せてくるであろう。
B2Bの企業向けITを生業にする立場としては、この2社の動きにどう対処するべきか悩ましいところである。