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日本や日本人って何だろう。改めて「海外」を考えるヒントを身近な話題から

オリンピック フィギュアスケート代表に見る「日本人のグローバル化」

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バンクーバーオリンピックがいよいよ2月12日(現地時間)から、開催される。
フィギュアスケートは、2/14のペア・ショートプログラムから2/27のエキシビジョンまで、ほぼ毎日~1日置きに試合があるようだ。

私自身は、ペアとアイスダンスの違いもよく理解していない程度の「にわかファン」ではあるが、日本や各国の代表を見て「おやっ」と思ったことがある。
日本のペア代表は日本人と米国人のハーフである「リード兄弟」、米国代表には純粋日本人の「長洲」選手、ロシアのペア代表には「川口」選手、米国選手のコーチには日本人の「佐藤有香」コーチなど、なんとグローバル化の顕著なこと。日本”人”の活躍という意味では、ちょっと誇らしい気持ちになる。でも、彼・彼女ら「日本人だけど日本代表でない選手」に日本代表が負けてしまったら、「裏切られた?」みたいな気持ちを持ってしまうのだろうか。。

実は、12年前の長野オリンピックの時にIT関連のシステム構築に携わったことがあるが、そのときにも「国籍」という要件定義が非常に難しいことを認識させられた。当時はまだまだ「ベルリンの壁崩壊の余波」などもあり、ちょっとでも有力な選手は「どこの国からならば確実に代表として出れるか?」ということを考えており、分裂して新しくできた旧東欧諸国や元ソビエト連邦に所属する各国のオリンピック協会も「勝ちたいから国籍変更で助っ人選手を導入する」ということを結構本気で考えているところがあったように感じる。しかも国によっては、2重国籍などに厳格でない国もある。

そのおかげで、「大会数日前まで選手名簿の本番データが入力されない」という冷や汗を流した経験がある。「選手名鑑」における「過去の戦績」なども、複数の国の代表で出ていたりすると本人の履歴がつながらない。今の日本で言えば、「失われた年金記録」と同じような状態だ。

日本でも、サッカーのW杯で代表選手を決めるときに「ブラジル出身者を帰化させよう」というような議論があり、団体競技ではまあ珍しくないのだろうと思っていたが、今回のフィギュアスケートのように個人協議でしかもここまで日本人が目立つのはやはり珍しいと思う。

そこで次に注目したいのは、フィギュアスケートの審判の国際化に日本人がどこまで浸透しているか?である。
技術点、芸術点など審判の主観が物を言う協議であるだけに、選手だけでなく審判のグローバリゼーションも必要であろう。
是非、報道の際に注目したいポイントである。

サッカーでは国際審判員などの基準も決まっており、試合当事者の中立国から主審・副審を採用するとか、日本人審判がどの試合を担当したとか、試合の主催者も報道陣もそれなりの気配りをしているようである。フィギュアスケートと言えば、大勢の方々はキム・ヨナや浅田真央選手に注目していると思うが、こんな細かい点にも注目したいと思っている。

さて、こんなスポーツにおける国際化をIT業界に当てはめてみるとどうなるだろうか?

1) 日本国内のチームに外国人が参加 : インド人や中国人の技術者も入ってきているしオフショア開発なども進んでいるので、まあまあかな。

2) 日本人選手が外国の現地チームに有力メンバーとして参画: 「IBM、マイクロソフト、グーグルのような企業に開発者としてどのくらいのエンジニアが参画しているか」というような例えになるだろうか。。十分ではないにしろ、少しは出来てそう

3) 日本人コーチが外国のチームで現地人選手を指導 : これは、「まだまだ」って感じですかね。日本人プロジェクトマネージャーが、現地の会社で開発チームを指揮したような話も聞かないし。でも、インドのIT企業に飛び込むような人も若い世代には出ているような話を聞いたことがあるし、数年経てば状況は変わるかも。

4) 日本人審判が国際試合で主審を担当: これもまだ厳しいかな。「グローバル企業(できれば非日系企業)で日本人CIOが、多人種混成のプロジェクトで外人プロマネに英語で要求仕様をぶつけて議論する」なんて状況が想像されますが。

それにしても、海外に出て行って活躍する日本人が目立つのは「女性」なんだなあ。。
日本人の男性は、外人女性からは魅力なし?ってことかな。アジア向けのジャニーズだけは例外のようだけど。

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