エンゲージメント・マーケティング・フレームワーク 3
エンゲージメント・マーケティングのフレームワーク第三弾です。コトラーのマーケティング3.0ではマーケティングの目的を「世の中をよりよくすること(Make the world a better place)」としました。そしてKey Marketing Conceptを「価値(Values)」としました。
このフレームワークでは、企業やブランドの価値を商品とコミュニケーションに分け、企業のWEBコミュニケーションに於いてどのような点を留意して顧客エンゲージメントを高めるのかを明示したものです。ポイントは「共感、参加、推奨」です。
1. 積極的に顧客と対話する姿勢(参加の促進)
エンゲージメントを高めるには顧客とつながり、顧客と積極的に対話をすることにあります。基本的には、顧客とつながる手段(SNS、ソーシャル・ログイン、チャット、電話、コミュニティ、メール、フィードバック、商品レビュー)を用意し、わかりやすく表記あるいは導線を設けることです。American Express はサイトの主要ページでこれらをしっかりと実装し、例えば一定時間ページに滞在しているとチャット画面がポップアップし、対話を開始できるようにします。日本でもソニー損保は積極的に顧客と対話する姿勢がサイトから感じられます。
2. 共感/共有を促進するコンテンツ、仕組み(共感、推奨の促進)
コミュニケーションに於いては、顧客とのやり取りを含めた「コンテンツ」が重要になります。エンゲージメントを高めるのは「共感」できるコンテンツを提供し、顧客の共感を得て、知人に推奨・共有されることが重要になります。そのためには顧客インサイトに基づいたコンテンツを「わかりやすく」提供し、共感アクションである「いいね!」や共有のための「シェア」の実装が必須です。わかりやすくするために動画の活用も増えてきております。Wells Fargo は難しい金融商品の説明に動画をうまく活用しています。
3. エンゲージメント・モメントを考えたオムニチャネル対応
エンゲージメント・モメントとは顧客のエンゲージメントが高まる瞬間です。例えば「カードを無くしてスマホからカード会社を検索し、スムースに問い合わせが行え、電話で紛失の届け出をする」というようなことはそう頻繁には起こらないでしょうが、実際に私はこの一月に経験し、数社に同じオペレーションをしたのですが、その結果に大きな開きがあり、そこでエンゲージメントが下がり、更新をしないカード会社がありました。どのような業種にもこのようなケースが数種類有り、大切なのは、スマホ時代に於いてWEBとコールセンターがシームレスにつながっている状況を勘案し、それぞれでカスタマージャーニーを作るのではなく、顧客の期待値を一緒に考えて一緒に作ることが重要です。本来のオムニチャネルというのはこういうことだと考えます。