Futures Design Workshop by Bespoke
デンマークのFutures Design Firm "Bespoke"が来日し、弊社主催で「Futures Design Course」を二日間に渡り実施しました。
Bespokeはコペンハーゲンをベースにしたデザイン会社で、未来探索をすることにより企業やブランドの「なりたい姿」を可視化、共有化し、バックキャスティングで行動計画に落としていく手法をとっています。自らを「Strategic Forecast & Experience Design firm」と位置付けている所以です。
「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ」 P.ドラッカー
彼らの手法は課題の解決のためのデザインというよりは、希望を生み出すデザインと言えます。中期経営計画も一種の未来ですが、「ならねばならない姿」「あるべき姿」からの行動計画への落とし込みになるために、ポジティブなマインドにならず、どこかやらされている感覚になり、本来はワクワクしながら計画をたてるところが義務感に支配され、どこか他人事の計画になりかねません。また、競合をベンチマークし、一般的な消費者調査をインプット材料に考え、本来はミッション実行の結果であるべき売り上げ、利益のみをKGI、KPIに設定する手法では、自分たちの未来を想像することができないばかりか、企業の向かう方向性すら見失ってきてしまいます。日本の大企業の多くはその創業の精神を忘れ、目先の数字のために奔走しています。もちろん「壁」やサイトには「理念」や「ミッション」が貼ってありますが、その理念が従業員や顧客にまったく伝わっていません。当たり前です、落とし込みがなされていないからです。
前回書いたブログはマイクロソフトを再建中のCEOナデルのことを書きましたが、彼が真っ先に着手したのはまさにマイクロソフトの存在意義やなりたい未来の想像でした。今グローバル企業の多くは「Value」や「Purpose」を前面に押しだし、自社の存在意義を再定義しています。より一層混沌としていく時代におけるビジネスのメインストリームといっても過言ではありません。 Bespokeはスタバやイケヤをはじめとする多くの企業や国、行政機関とのFutures Design プログラムを実施し、なりたい未来の創造支援を行なっています。
今回のセッションはクライアント数社とメンバーズの社員が22名集まり、彼らの手法を用いたワークショップを行いましたが、お題は「Future of Work 2030」としました。2030年における我々の働き方はどうなるのだろうか?どうなりたいか?などを独自の手法を活用し、チームで考察、未来創造を行い、そのイメージをプロトタイピングし、未来からのバックキャスティングで行動計画に落とし込みました。参加したクライアントの中にはマンション開発会社の方もいらしたので、ビジネス的に日本人の働き方がどうなるかは非常に重要なテーマでもありました。 この手法のキーワードは、「手と体を使って考える」「未来志向」「共創」「好奇心」です。そして最も重要なことは「プロセスを信じる」ことです。最初からある程度の「落ち」を決めがちな我々は、結論がまったく見えないプロセスにはなかなか踏み込みができないのが現状ですが、このプログラムは実はプロセスこそが重要で、ちゃんとしたプロセスを共創することで、いい方向が見出せるということを体験できます。 秋には再び彼らを招聘し、未来創造セッションをする予定です。今回ご参加いただけなかった方は、次回は是非ご参加ください。
写真は今回のファシリエイターを務めてくれたNickとAndyです。Nickは大のBob Dylan好きです。