映画「ドリーム」を観て Watsonに思うこと
映画「ドリーム」を観ました。
この映画は、NASAが初めて有人飛行を実現するにあたり、奮闘した3人の黒人女性を描いたストーリーです。先週日本での公開が始まりましたが、高い評価を得ているようです。私は普段はほとんど映画は観ないのですが、ぜひ観てみたいと思う理由がありました。それは、劇中、IBMの大型コンピューターが大きな役割を果たしているからです。
まだ有色人種に対する差別が激しかったこの時代、しかも女性ということで多くの苦難に3人は直面していました。NASAが有人飛行を行うにあたり膨大な計算が必要になったのですが、その計算をIBMの大型コンピューターが担うことになりました。NASAの中にはまだコンピューターを使える人材がいない中、「計算係」のドロシーは、IBMのコンピューターをいち早く使えるようになることが計算係チームの雇用確保(クビからの回避)と自らのキャリアアップにつながると確信したのです。独学でFORTLANを学び、男性技術者が驚く中で見事にIBMコンピューターを使いこなしてみせたのです。
このIBMコンピューターは7090という、いまでいうところのメインフレームですが、まだキーボードもモニターもない時代のシロモノです。巨大すぎてNASA内の部屋のドアから搬入できずドアを破壊する、というシーンが予告編に登場します。私は、実際に自分は業務としてはあまり関わったことがないのですが、メインフレームが好きなんですね。もはや時代から取り残された無用な長物、といったトーンで評価されてしまうことの多いメインフレームですが、スマホ全盛のこの時代も、目に見えづらい場所で多くのデータを処理しているのはメインフレームであることが多いと言えます。
そうしたメインフレームが登場し、また、何度もIBMの名前が連呼されますので、メインフレーム好きなIBM社員である私としてはたまらない映画となっていますが、全米でも大ヒット理由はもちろんそんなところにあるわけではありません。このIBMメインフレームを含めた当時の最新技術を主人公たちがどのようにして活かしていったのか、その過程が非常に人間臭く、知的で、情熱的に描かれていることが、見る人に勇気と感動を与えているのだと私としては思っています。
いま私が担当しているのはAI(人工知能)として知られるコグニティブ・コンピューティング「IBM Watson」です。AIという響きは、時として人間を置き去りにしてしまうような恐怖とともに語られることもありますが、実際にはそうではありません。少なくともWatsonは。
Watsonは人間が学習させる必要があります。どのように使いたいのかを考えて、人間が使いやすいようにWatsonに情報を与える(覚えさせる)のです。これは人間が主役であることにほかなりません。
メインフレームが活躍を始めたこの映画の時代もAIが前面に出てきた現在も、人間がどのようにコンピューターを使いこなすかが重要であることには変わりないと私は考えています。Watson担当営業としては、Watsonの特長を誤解なく伝え、有用にWatsonをはじめとする最新のコンピューティングシステムを使いこなしてもらうよう、言葉と行動で尽くしていきたいと思っています。
映画「ドリーム」、お勧めします。
映画「ドリーム」とIBM
https://www.ibm.com/thought-leadership/hidden-figures/jp-ja/
映画『ドリーム』予告 IBM編
公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/index.html
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)