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【本のご推薦】 日本はアメリカ合衆国の属国のままか、中国の朝貢国になるのか?

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朝貢(ちょうこう)とは、『中国の皇帝に対して「中国の徳を慕って」周辺国の君主が貢物を捧げる事』という意味だ。皇帝は、それに対し、恩賜を与える、と いう『中華思想』の元になるものだ。前回、日高義樹氏の本『私の第七艦隊』の中で、オリンピックを開催し、BRICsの一員として、経済的に豊かになり、 大国になった、と思い込んでいる、と書いていた。

中国は、露骨な資源獲得のためには、あらゆる手段を使うつもりでいる。アメリカ海軍の司令官に、中国海軍の幹部が、『太平洋をハワイから東はアメリカ、西 は中国が管理しよう』と持ちかけたのだそうだ。今、台湾は独立路線を変えて、中国に歩み寄っており、尖閣諸島や沖縄まで、中国の領土だと言っている。日本 の政治家と違い、本当にやるかもしれない。

さらには、中国はひとつにまとまった国ではない。共産党の権限はとても大きいが、だからといって、地方の軍隊が勝手に動かないという保証はない。中国の軍 隊は実は中国共産党配下にあり、国の軍隊ではないが、現在の中国共産党のトップは胡錦濤氏を始め軍出身ではなく、毛沢東のように、しっかりと軍を把握して いるとはいえない。

アメリカ合衆国は、西太平洋の覇権を放すはずはなく、西太平洋の制海権を狙う中国とは、必ず衝突する。軍隊は、相手を制圧・抑止することが主目的なので、 中国が新しい兵器を開発すれば、アメリカもそれに対する対抗措置を取る。こうやって、なんとか均衡を保っているのだが、中国の跳ねっ返りの軍人が大国意 識、強烈なナショナリズムに酔ってしまったら、どうなるかわからない。

この西太平洋を通って、日本に原油がやってくるのである。日本は、アメリカの軍隊を日本各地に駐留させ、アメリカの核の傘の下にいる。政治的、軍事的に独 立国家といえるかどうか。これは、NATO各国も同様だ。しかし特に現在、対中国はアメリカ国防総省の最優先事項なのだ。

これも元 NHK のジャーナリスト、池上彰氏の『大衝突』は、池上氏が長い間司会をしていた『週間こどもニュース』のように、わかりやすく、要点がまとまっていて、中国だけでなく、ロシアや中東を含む、世界と日本の関係の現在が理解できる。

さて、これから日本はどうすればいいのか。経済的に苦しい立場にいるアメリカに見切りを付け、共産党の支配する、環境汚染のすさまじい、いつ分裂するか解らない中国の朝貢国になるか。それとも今のままの延長か?どうする、にっぽん ?

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