【銀行はテクノロジ・ビジネスだ】 ジョナサン・シュワルツのブログから
たまには、弊社の CEO ジョナサン・シュワルツのブログをご紹介しましょう。7月3日に書かれた、「Solaris on Wall Street
- Faster and Faster」です。要約するより、ザッと意訳しちゃった方が早いので、訳しちゃいます。正式な訳も、すぐ出ると思います。
ウォールストリートの Solaris - さらに、さらに早く
国際的な金融企業の CEO とちょっと前にディナーをしたときの事を思い出します。彼が CEO になって取った最初の行動のひとつが、膨大な量のアウトソーシングの契約を取り消したことでした。私が「なぜ?」と聞いたときの彼の答えには、しびれまし た。「銀行はテクノロジ・ビジネスだ。単純明快さ。私の自分のチームがなければ、勝てる訳がない。」
彼のアウトソーシングに対する観点とは別に、金融サービスのエグゼクティブの多くから(全て、ではありませんが)、同様の観点を聞きました。(通信業やメ ディア、流通など広範囲わたる業界と同様に)銀行は、テクノロジ・ビジネスになり、ひとつひとつのパフォーマンスや差別化が重要なのです。さらに、という より特に、この市場の混乱のまっただ中においては・・・。
このことは、ちょうど最近インテルと共にジョイント・プレス・リリースを行った事の、背景としてぴったりとしていて、その中では、速度記録を達成していま す。秒間 100 万メッセージをロイターのマーケットデータシステムで、インテルシリコン上の Solaris 10 で実行できました(詳しくは、プレス・リリースをご覧下さい)。私たちの仲間である、インテルとトンプソン・ロイターの皆さま、ありがとうございました。 パフォーマンス = 市場での優位性、エネルギーの節約、もしくはデータセンターの統廃合、もしくは、それら全てです。お客様の選択次第。
さて、私の前回の、フラッシュメモリーとZFSが、世界のデータセンターに及ぼす影響についての投稿のフォローアップとして、私たちのアダム・レーベン タールが「Communication of the ACM: Flash Storage Memory」の中で、もっと充分に技術的な見地を加えています。ご一読ください。
銀行や証券などの金融業界では、国際的にはすでに手作業を廃止し、すべてプロセス化させており、この銀行の CEO の言うとおりに、技術的に優位性を持つことこそが絶対的な「差」となります。これは、通信業、メディア、流通業にも当てはまると言ってますが、本当だと思 います。SIer にすべて任せきりの日本の各業界は、大丈夫なんでしょうか?国際競争力、本当にありますか?
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さて、ついでなので、この翻訳について、善し悪しを検証してみましょう。ジョナサンの英語は、以前に比べると分かりやすい英語になってきましたが、元々、
頭のとてもいい人で、語彙も豊かなので、翻訳しようとすると、ちょっと引っかかりのあるタイプですね。今回のブログの投稿は、どちらかというと分かり易い
方でしょう。ちなみに、話すのもマシンガントークですよ。早口なんですね。
さてと。翻訳上、面白かった点を少し。
Faster and Faster .....
これを「より早く、より早く」と訳すと、日本語としてちょっと稚拙な感じなので「さらに、さらに早く」としてみました。
his response has stuck with me .....
「彼の回答は、私にくっついてしまった」では、意味がわかりませんね。stick で、刺さるといった感じを出し、stick with ではほかに「とりこにする」といった意味合いも出ますので、ここは、「しびれました」と意訳してみました。
like big swaths of telecommunications, media and retailing .....
「通信業、メディア、流通などの大きな帯のように」これも、意味が分かりません。ジョナサンも面白い表現を使います。農場の草を帯状に刈っていった跡なの で、「広範囲に及ぶ」といった意味合いにする必要があります。
Even, and especially, in the midst of market turmoil. .....
Even in the midst of market turmoil だと、この市場の混乱のまっただ中ですらも、ですが、and especially を入れて、どちらかといえば、especially を目立たせる感じになっていますね。
Performance = market advantage, energy savings, or datacenter consolidation - or all of the above.
動詞がありません。でも、いいんです。「 = 」をequals と読めば。
Worth the read .....
普通なら、Worth reading とか worth while to read とか worth a read でしょうけど。まあ、そんなに目くじらを立てずに・・・。相手はネイティブなんですから。
以上、この翻訳をする上で面白かった点です。翻訳は特殊な作業であり、話をするときや自分で黙読するときには、ここまで考えず、英語のまま、受け止め、理解することが重要だと思います。