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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

「しょうがない」 といっては絶対にいけない

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私事ですが、1988年からIBMでアジア太平洋地域 (AP) のミドルウェア・ソフトウェア製品のプロダクト・マネージャを担当していました。その当時、IBMのAP本社は東京にあり、神谷町のテレビ東京の前のビルでした。ただし、我々のチームは築地にある日本アイ・ビー・エムの事業所の一角を使っていましたが。

IBM-APのリエゾンとして、主要開発研究所に我々の出先担当者がおり、サンノゼ地域にも数名のIBM-APのミドルウェア・ソフトウェア製品のプロダクト・マネージャがいました。それらのマネージャを統括していたのが、ジム・ストリックランド (Jim Strickland) でした。

ジムはたいへん温和な人柄で、知的で怒ったところをみたことがありません。私より20歳弱年上で、元IBM-USのセールス・マネージャだったので、いろいろな事を教わりました。英語が普通に話せるようになったのも、ジムのおかげです。

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あるとき 「しょうがない」 と英語で言いたかったので、「It can't be helped」 という言葉を使ったら、ジムが急に真剣な顔で

「高橋さん、その言葉は使ってはいけません。」

と (もちろん英語で) さとされました。ふだん見ない彼の真剣な表情に驚いたからか、それ以降今に至るまで、いっさい 「It can't be helped」 という言葉は使っていません。いまにして思えば、なぜ、この言葉を使ってはいけないのでしょうか。

あまり文法は得意ではありませんが、「be helped」 と受身形で、しかも 「can't」 ですので強い否定になりますよね。「I can't stop loving you」 は、「あなたを愛さずにはいられない (愛することを止めることができない)」 ですので、「It can't be helped」 は、「もはや、助けようがない」 ということになります。

誰が助けてくれるのか。(米国) 英語の場合キリスト教との関連がありますので、最終的には、神様すら助けられない、という意味になるのでしょうか。「神は自ら助ける者を助く」 という言葉や 「自助 (Self Help)」 という言葉があるように、「It can't be helped」 は神の救いすら否定する言葉だからでしょうか。

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この 「It can't be helped」 を使わないようになってから、日本語の 「仕方がない」 や 「救いようがない」 といった言葉も使わないようになりました。まぁ、たまには 「もう。しょうがねぇなあ~。」 といった表現はしますが。「もうあきらめた」 「どうしようもない」 という表現をしないようにしてきたので、自分の生きる態度の中からも、そういった否定的な行動が少なくなって来ているように思います。

どうでしょう、みなさんも 「仕方がない」 という表現をやめてみてはいかがでしょうか。英語で 「It can't be helped」 という表現も、避けた方が良いようです。

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