iPodラインアップに死角はあるか?:iPod touch編
競合メーカーは、もうビールでも飲んで泣くしかない。
これはわたしが言っているわけじゃなくて、JupiterResearchの音楽専門アナリスト、デビッド・カード氏がブログで言ったこと。今回のラインアップはそれほど完璧らしいです。
中でも注目はiPod touchだと思いますが、2、3年は追いつけないはずのユーザーインタフェース部分はとりあえず置いておくとして、Wi-Fi音楽プレーヤーとしての部分につけ入る隙があるか、ということを考えてみます。
この分野ではまず、先駆的なZuneがあって、その次にYahoo! Music Unlimtedに対応したSansa Connectが登場し、最近では東芝のgigabeat T401が該当します。
では、Wi-Fiで何ができるか? Zuneができるのは、友人との曲の貸し借り。Yahoo! Music Unlimtedは音楽ストアから直接の楽曲ダウンロード。touchやiPhoneに最も近いスタイルです。gigabeat T401は、ポッドキャスト専用。
一方touchは、音楽ストアからの直接ダウンロード、Safariを使ったフルブラウザ、YouTubeと、たいていのことはできます。
音楽プレーヤーというククリでなければ、一連のWindows MobileやPocket PCが競合に入ってくるんでしょうけど。
実は、新モデルのPSP-2000が一番いい位置につけているのではないかと思われます。フルブラウザがついていて、ポッドキャストもできて、おまけにゲームまでできる。ビデオiPodとの互換性も高い。189グラムと、むちゃくちゃ重いわけではない。問題は、メモリがオプションというとこと、音楽ストアが備わっていないということですかね。
gigabeat T401も、機能さえ追加されればいいんですけど。いくらなんでもポッドキャストだけしか使わないというのは宝の持ち腐れです(Zuneよりはマシだとは言え)。せっかく58グラムという、nanoに近い重さでありながらWi-Fi機能を搭載していて、ビデオ再生もできるんだから、ビデオポッドキャストの主流であるH.264をサポートすればなんとかなるのではないでしょうか。
Zuneは、とりあえず160GバイトHDDを積んでから、ポッドキャストの本体から直接ダウンロード機能をつけて、同じくH.264をサポートすれば、一応の差別化はできるんではないでしょうか。ちょっと今の状態ではWi-Fi使わなすぎなので。touch + classicに対抗するという形にすれば、それなりのポジションを確保できるのではないでしょうか。Zune to Zuneのことは、忘れましょう。
Sansa Connectはもっさり感とバグをなくすことと、Y! Unlimitedからの検索ダウンロードを可能にすることですね。今のバージョンでは希望する楽曲をダウンロードすることができないという、驚きの仕様なのです。
Wi-Fi経由のネットラジオをサポートしているのはSansa Connectだけなので、この製品にはさらなる精進を期待したいところです。
これだけやっても、Appleが掲げた「非常に基本的なところでの底辺拡大策」である「スタバでiTunes」まではなかなか到達できないでしょう。レドモンドとシアトルはあんなに近いのに(行ったことはないけど)。いち早く試すことができる、佐川さんがうらやましすぎです。
P.S. さきほどiPod classic (Black) の80Gバイト版を購入。自分のではなくて、次男の分です。盗難対策のため、名前を刻印しておきました。
関連記事:
・iPodとスターバックスとシアトル!
・全面液晶の「iPod touch」、登場
・写真で見る「iPod touch」
・電話抜きiPhoneの「touch」、動画「nano」、大容量HDD「classic」——iPodが全ラインアップを改訂
・StarbucksでiTunesに無料Wi-Fiアクセス可能に
・iPhoneは200ドル値下げ、9月末までに100万台到達へ