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てのひらメロトロン「Manetron」がスーパーになって帰ってきた

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 ビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」、レッド・ツェッペリン「天国への階段」、キング・クリムゾン「クリゾン・キングの宮殿」……これらの名曲に欠かせないサウンドといえば、メロトロン。そのサウンドをまんま再現できるiOSアプリが「Manetron」。その「Manetron」が超進化して、別アプリとして23日に発売されます。それが「Super Manetron」。23日に発売されました。開発元の山崎潤一郎さんにβ版から使わせてもらったので、その印象をば。

 その前に、素敵なプロモビデオができてたので、それを見てもらった方が早いですね。どうぞ!

 いろいろと機能説明がされていますが、まず、どこが変わったかというと、開発者が変わったんです。あのスーパープログラマー、笠谷真一さんがManetronを手がけているのです。

 もっとも、このコンビは初めてではなくて、ハモンドオルガンのサウンドを忠実に再現するPocket Organ C3B3は既に山崎-笠谷コンビで手がけているわけです。

そこまでやる? iPhoneで往年の名楽器を「再生」した二人組

 実は以前のManetronは笠谷さんではない、別のプログラマーによるもの。それを笠谷さんが完全にリメイクしたのがSuper Manetronというわけなのです。

 で、笠谷さん版Manetronはどこが大きく違ったかというと、まず、レスポンス。圧倒的にいい。旧版はちょっともたつきがあって、そこがメロトロンっぽくもあったんですが、今度のはグリッサンドやスライドさせてもいい反応をしてくれます。上手くなったような気がします。

 Pocket Organのときには、iPhone/iPadを揺らすとリバーブが揺れてガッシャーンというすごい音がなる、素敵でバカみたいなギミックがあったんですが、Super Manetronにも似たようなバカ(いい意味で)機能があります。それは、テープシミュレーター。

 メロトロンはテープを使ったサンプラーみたいなもので、鍵盤の数だけテープレコーダーが回っているというちょっと頭がおかしい力ずくの仕組みでできています。その再生の様子を、2段鍵盤の上の部分を使ってみせてやろうというものです。この機能を使うと、下の鍵盤しか弾けなくなるのですが、それでもこのモードで弾きたいと思ってしまいます。下の画面では2つの鍵盤を押しています。一番上までいっちゃうとテープは終わり。そこでカシャっという音がして、巻き戻ります。このサウンドも出すことができます。もちろん出さないこともできます。

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 さらにメロトロンらしさを出すには、ピッチの不安定さまで再現しなければなりません。そこは加速度センサーを使い、傾けるとピッチが上下する仕組みも取り入れられています。よりリアルなプログレサウンドもこれで可能。

 そう言えば、Pocket Organのインタビューを読み返してたら、四本さんが「Manetronだってモーター音やらテープの巻き戻し音やら入ってるじゃないですか。そういう儀式があっても面白かったかも。」と質問というか、要望を出していたんですが、それがきっちり取り込まれているところがいいですね。

 ぼくはAudiobusと、バンガロービルのイントロのギター 早弾き追加を要望してますw

 ほかにも、テープフレームという、3つの音色切り替えをそれぞれ別の音源にできる機能を2セット分用意したり、リバーブが可能だったり、メカニカルサウンドのボリュームがあったりと、楽しめます。

 そうそう、サンプリング元のメロトロン、所有者はあの安西史孝さんで、自宅スタジオで録音したそうです。

 もう1つ忘れていた。Core MIDI対応なので、MIDI接続して外部キーボードを接続すれば弾けます。これで、あの重くてメンテナンスしづらいメロトロンを持ち歩かずにすみますね。

 価格は次期メジャーアップデートまで半額の350円。今春のアップデートでiPad両対応のユニバーサルアプリになるらしいので、いまのうちに買っておいたほうがいいです。App Storeへのリンクはこちら(https://itunes.apple.com/jp/app/super-manetron/id603086193?mt=8)。

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