日本のDXの取組状況、新規事業等の新しい価値提案の創出は6割に
ガートナージャパンは2023年10月26日、「国内のデジタル・トランスフォーメーションの取り組みに関する調査結果」を発表しました。
Gartnerは5月に、国内企業のITシステムの構築/導入/保守/運用および、サービス委託先の選定に関与している担当者を対象に調査を実施しました (有効回答400社)。
本調査で、予め8つの分野を提示してデジタル・トランスフォーメーション (DX) の取り組み状況を尋ねたところ、最も高い割合の取り組みは、
・「既存ビジネスのコスト削減やオペレーションの効率化」(79.3%)
・「データやITインフラ等の基盤の整備」(73.3%)
となり、既存ビジネスの改善だけでなく、「新規事業等の新しい価値提案の創出」を目的としたデジタル・トランスフォーメーションに取り組む企業も60%を超える結果となりました。
日本企業のDXの取り組みが、既存ビジネスに対するものにとどまらず、幅広い分野に広がっています。
出典:ガートナージャパン 2023.10.26
ガートナーのアナリストは、
既存ビジネスに対する取り組みに次いで、『新規事業等の新しい価値提案の創出』『新しい顧客ターゲットやチャネルの拡大』などが上位に挙がった一因としては、ここ数年間のコロナ禍で、顧客のビジネスを取り巻く環境や消費者行動が変化したことが挙げられます。テクノロジを活用しビジネスや顧客を獲得するための新たなビジネスの仕組み作りは、今後も日本企業にとって重要なテーマになるでしょう。
「一方、今回の調査で『データやITインフラ等の基盤の整備』に取り組んでいると回答した企業が70%を超えたことは注目すべき点です。DXの取り組みが新しいビジネスへと広がる中、既存システムに蓄積されたデータ活用にとどまらず、新規ビジネスの立ち上げに伴った新しいデータとの連携機会が増えていることが考えられます。それらのデータを連携させるためには、各部門でサイロ化された既存システムとの連携基盤の構築が必要となります。既存の仕組みで実現が難しい場合は、クラウドへの移行なども含めた抜本的なデータ連携基盤の整備も必要となります。DXを進める日本企業にとって、『データやITインフラ等の基盤の整備』は、より一層重要な課題になったと言えます。
と述べています。