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エネルギー・環境問題の解決策としての「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」

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内閣府は2023年6月8日、「総合科学技術・イノベーション会議(第69回)」を開催しました。

この中から、エネルギー・環境問題の解決策としてのフ「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」について、とりあげたいと思います。

本戦略ではフュージョンエネルギーを新たな産業として捉え、構築されつつある世界のサプライチェーン競争に日本も時機を逸せずに参入していく必要性をあげています。

そのためには、ITER計画/BA活動、原型炉開発と続くアプローチに加え、産業化等の多面的なアプローチによりフュージョンエネルギーの実用化を加速。さらには、産業協議会の設立、スタートアップ等の研究開発、安全規制に関する議論、新興技術の支援強化、教育プログラム等を展開していく方針を示しています。

エネルギー・環境問題の解決策としてのフュージョンエネルギーの位置づけです。

政府では、2050年カーボンニュートラルの実現を掲げています。その一方で、ロシアのウクライナ侵略により国際的なエネルギー情勢が大きく変化し、エネルギー安全保障の確保が重要となっています。

政府が進める本戦略では、フュージョンエネルギーの特徴(①カーボンニュートラル、②豊富な燃料、③固有の安全性、④環境保全性)を示し、エネルギーの覇権が資源から技術を保有する者へとパラダイムシフトしていくとしています。

新たな産業としてのフュージョンエネルギーの状況で世界の状況を見渡すと、諸外国におけるフュージョンエネルギー開発への民間投資が増加しています。

米国や英国政府はフュージョンエネルギーの産業化を目標とした国家戦略を策定(=自国への技術の囲い込みを開始)しています。

技術的優位性と信頼性を有する日本では、技術で勝って事業で負けるリスクも指摘しています。

日本は他国にとっては有力なパートナーであり、海外市場を獲得するチャンスであり、本戦略を通じて、世界の市場をリードしていくことの重要性をあげています。

フュージョンエネルギー・イノベーション戦略では、

・フュージョンインダストリーの育成戦略(Developing the Fusion industry)
・フュージョンテクノロジーの開発戦略(Technology)
・フュージョンエネルギー・イノベーション戦略の推進体制等(Promotion)

の3つの戦略を通じて、国家戦略のビジョン『世界の次世代エネルギーであるフュージョンエネルギーの実用化に向け、技術的優位性を活かして市場の勝ち筋を掴む、"フュージョンエネルギーの産業化"』を目指しています。

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出典:量子未来産業創出戦略 2023.6

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